INTERVIEW

心に寄り添い、人生を支えるプロフェッショナル。

ライフコーディネーター 瀧野 由里子

  • 「第2の人生」への一歩をサポート

    ライフコーディネーターとしてのモットーや、心がけていることはありますか?

    仕事における私のモットーは、「心により添い、信頼をつなぐ」ことです。

    ご相談者や、介護の問題にお悩みのご家族と接する際には、まず、ご不安についてじっくりと傾聴することが前提となります。その方が生まれ育った背景や人生観、ご家族の心情などを、時間をかけて聞き取ります。

    それぞれのお考えを整理しながら、より良い未来へつながるお手伝いをすることが、ライフコーディネーターとしての「使命」だと考えています。

  • ご家族間の意見の相違やご不安には、どのように向き合っていますか?

    介護の現場では、ご本人が「子どもに面倒を見てほしい」と願う一方、お子さまには、親御さんの介護をしたくても状況が許さない、と悩む方が少なくありません。

    そのようなとき、私はご家族に「介護できないことは、決して悪いことではありませんよ」と、率直にお伝えしています。

    お独りでご自宅で過ごされていた頃と比べても、施設へのご入居後、同年代の方々との交流を通じて、見違えるほど輝いて生活されるようになった方を、私自身の経験としてたくさん見てきたからです。

    高齢者施設に入居することに対して、ネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、今は効果的なレクリエーションやリハビリに加えて、食事も充実した魅力あふれるご入居先が数多くあります。

    さまざまな選択肢をご用意して、ご相談者が前向きな気持ちで、「第2の人生」への一歩を踏み出していただけるよう、サポートしています。

  • 感謝と笑顔を忘れずに生きる

    印象的だった事例を教えてください。

    独り暮らしの認知症のお母さまと息子さんご夫婦のケースは、今も心に残っています。

    ケアマネジャーが、お母さまに「喫茶店に行きましょう」と誘い出したのですが、高齢者施設の見学だということが、ご本人にわかってしまいました。

    最初はご立腹されましたが、食事や設備にも定評のある高齢者施設を厳選し、体験入居をしていただいたところ、「もっと早く知りたかった」と喜ばれ、スムーズにご入居が決まりました。

    このときは、あきらめることなく、誠実に心を尽くして対応することで、状況が大きく好転する可能性があることを学びました。

    ご希望どおりの施設にご入居されて、お元気になられたご相談者のお姿を見たとき、また、そのご家族との間に信頼関係が生まれたとき、この仕事を選んで本当に良かったと感じます。

    その瞬間が一つでも増えるよう、初対面での第一印象を大切に、常に笑顔で接することを心がけています。

  • これまでの経歴と、あいらいふに入社した経緯を教えてください。

    銀行に10年勤めた後、ウェディングプランナー、乳飲料関連の会社の健康推進課を経て、あいらいふに出会いました。

    どの職場にも共通していたのが、人生の大切な場面に携わる「やりがいと責任」です。

    入社を決意した理由は、自分のこれまでの人生経験を活かして、ご高齢の方やご家族の不安を、少しでも軽減するお手伝いができるのではないかと感じたからです。

  • 誰かの“ありがとう”が私のエネルギー

    より多くの方からご相談をいただけるよう、新たな窓口の開拓に取り組まれているとうかがいました。

    どのような仕事にも波はあるものですが、この仕事も例外ではありません。当然、なかなか結果が出ずに落ち込むこともありました。

    そんなとき、信頼できる職場のリーダーに悩みを相談したところ、いつでも一緒に問題に向き合い、真摯に深く考えてくれました。このことが、私の仕事への考え方を大きく変え、新たな展開へと視野を広げるきっかけになりました。

    現在、病院の医療ソーシャルワーカーや、ケアマネジャーからのご紹介に加えて、一般企業との連携を強化しているところです。

    今後は、企業の介護休暇制度を活用して、社員の方に向けたセミナーや施設見学ツアーを企画し、潜在的な介護ニーズを抱える方に、有用な情報を提供していきたいと考えています。

    また、日ごろお世話になっている外部のスタッフの方々へ、感謝の気持ちを形にしたいとリーダーに提案したところ、こころよく賛同してくれました。

    かつての職場で行っていた取り組みのひとつですが、夏には熱中症予防のタブレットや汗拭きシート、年末にはちょっとした贈り物をお渡ししています。

    「誰かの“ありがとう”が私のエネルギー」という言葉が、私の座右の銘です。感謝と笑顔は、人間に大きな活力を与えてくれるものだと信じています。

    もうひとつ、私自身の原動力は、何よりも娘の存在です。人生の中で最も信頼できる親友であり、日々の生きがいでもあります。

    ともに笑い、時に支え合いながら、親子という枠を超えて成長を分かち合える関係です。娘と毎日ハグをすることで、言葉では届かない想いを伝え合い、エールを送り続けています。

  • 「幸齢者」の実現へ

    将来のビジョンや、ライフコーディネーターとしての今後の目標をお聞かせください。

    私にとってライフコーディネーターとは、お悩み解決のお手伝いにとどまらず、ご本人やご家族に、人生の最後まで「悔いのない人生を歩んだ」と心から感じていただけるよう、お気持ちに寄り添い、豊かな暮らしへと導く存在です。

    人生の大先輩にあたる方々が、これまでの努力と時間を惜しみなくご自身の幸せのために使い、幸福感に満ちた生活を送る上でのお手伝いをさせていただくこと。

    その想いを将来のビジョンに掲げ、ライフコーディネーターの最終目標として、日々前進していきたいと考えています。

    そして、いつか「高齢者」という言葉が、「幸齢者(こうれいしゃ)」に変わる日が来ることを願っています。


    取材・撮影/あいらいふ編集部
    文/山田ふみ

    あいらいふ入居相談室
    フリーダイヤル 0120-722-554
    受付時間|月~金 9:00~18:00
    (土日祝・夏季休暇・年末年始を除く)