INTERVIEW
100通りの人生観や価値観。 共感をもって、ご相談に向き合う。
ライフコーディネーター 西村 三由紀
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#共に考え、未来につなぐ
固定観念を持たず、心からの声を聴く- あいらいふのライフコーディネーターになるまでの経緯を聞かせてください。
高校・専門学校を卒業して、旅行会社に就職。その後、取得したファイナンシャル・プランナ―(FP)の資格を活かしてご相談に乗る仕事を経験したのち、あいらいふに転職しました。
前職では、老後の資金のご相談に乗る機会が多く、それをきっかけに、福祉の仕事に興味を持ち始めました。未知の世界である“老後”をもっと知ることで、より多くの人の役に立ちたいと思ったのです。
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- ライフコーディネーターとして、心がけていることはありますか?
面談の際は、お一人おひとりがまったく異なる人生を送ってこられたことを心に留め、固定観念の入った提案をしないように努めています。ご相談者からうかがうお話には、100人いれば100通りの人生観や価値観が詰まっており、毎回、新鮮な気づきと学びを得ています。
高齢者施設へのご入居を検討されているご相談者とご家族の抱えるお悩みは、費用面のご心配から、受けられるケアの内容や人間関係に関するご不安まで、多岐にわたります。それぞれのご状況を整理し、時間をかけて傾聴することで、ご相談者が本当に求めていらっしゃるものは何か、丁寧にひき出すことを心がけています。
また、施設へのご入居に関する誤った印象を持たれないよう気をつけています。シニア世代には、施設に対して閉鎖的なイメージをお持ちの方も少なくないのですが、近年の有料老人ホームは自由度も高く、ご入居者同士が親睦を深め、心安らかな暮らしを送るための環境が整っているところが多くあります。
施設について説明する際は、その方にとってリスクとなり得る要素もお伝えします。良い情報だけであれば、パンフレットやインターネットを通じて、ご自身でも調べることができますから。
実際にご入居された方からいただいた声や、経験豊富なプロフェッショナルであるあいらいふの仲間の意見、会社の充実したデータベースからのフィードバックをもとに、実際に起こりうる問題や改善点を共有することが、安心して暮らせる施設を選んでいただく上で重要であり、信頼を築く第一歩です。 -
家族に訪れた変化が育てた、
ご相談者との向き合い方- 印象深かった出来事や、ご相談者とのエピソードは?
昨年、私の母が大腿骨を骨折して介護が必要な状態になり、同時期に息子が肺の病気を患って入院・手術を経験しました。不測の事態によって家族の日常が一変してしまう体験を通して、ご相談者やご家族のご不安、心の揺れ動きをより深く理解できるようになったと感じます。
ご家族の中には、長年にわたって介護を続け、心身ともに疲弊している方もいらっしゃいます。ある方は、ご自身の介護が正しかったのか、今後のことをどうすれば良いのか、悩みを誰にも打ち明けられずに心の負担を抱えていました。お話をうかがいながら、思わず私も一緒に涙を流してしまいました。その方が抱えるご不安は、私自身が経験した感情だったからです。
「これからどうしていけば良いのか」という問いに対する答えは、一つではありません。ライフコーディネーターとして提供できる最善の選択肢は何か。自問自答を繰り返し、ご相談者と共に考え、共に歩み、より良い未来につなげるため、これまでの一つひとつの経験を活かすことに心を砕きます。すべての出会いと出来事が、私を成長させてくれました。
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- あいらいふに勤めて良かったと感じたことはありますか?
何といっても、人間関係の心地良さですね。上司との距離が近く、風通しの良いフラットな組織です。上司や先輩方は気軽に相談できる存在で、人材育成にもとても熱心。学ぶ意欲とチームワークを大切にする方にとって、働きやすい環境が整っていると感じます。私自身もこの環境を活かして、さらに成長を続けていきます。
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ご相談者の人生を担う重責。
すべての出会いが自分を育ててくれた- 西村さんにとってライフコーディネーターとは?また、将来の目標は?
シニア層の豊かな暮らしをサポートするライフコーディネーターは、私にとって単なる職業の枠を超え、ご相談者の人生そのものに関わる、重責を伴う仕事です。介護や医療に関する法律や保険制度をはじめ、多くの知識や経験が必要とされることはもちろんですが、それ以上に大切なのは、ご相談者やご家族との信頼関係を築くこと。
「西村さんの言うことなら信頼できる」とおっしゃっていただいたり、ご入居後も、ご家族やご友人のように接していただいたり。何よりも、ご相談者からいただく「ありがとう」の言葉は、私にとってかけがえのない喜びであり、仕事の上でのやりがい、心の支えとなっています。
私には、「ご相談者のお気持ちに寄り添いたい」「少しでも多くの人たちの役に立ちたい」という、前職から続く思いがあります。それは今も、これからも、私の心の中心にある、仕事への揺るぎない信念です。いつも笑顔を忘れずに、どんなことでも安心してご相談いただけるような、専門性と人間性を兼ね備えたライフコーディネーターでありたいと思っています。
取材・撮影/あいらいふ編集部
文/山田ふみ