INTERVIEW
在宅介護の現場を知るため 訪問介護で働こうと決意。
ライフコーディネーター 赤堀 麻衣子
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介護を深く知るため、二足のわらじを履く
- あいらいふのライフコーディネーター になるまでの経緯をお聞かせください。
子どもの頃から動物や自然が好きだったので、出身地である静岡県から北海道の大学に入学して畜産学を学び、卒業後は北海道の食品メーカーに就職しました。充実した社会人生活を送っていたのですが、ある日突然、父が倒れてしまったんです。
母がメインで介護を担いつつ、私も働きながら休日や緊急時に対応できるように、北海道から東京支社へ異動して、父の世話をする期間が長く続きました。そして、さまざまな高齢者向け施設を移り住む父を見守るうちに、いつの間にか私の中で、施設や介護業界への興味が高まっていきました。そこで、介護業界に関する仕事を調べていたところ、ライフコーディネーターという職業と出会ったのです。 -
- 入社後、苦労した点はありましたか?
必要な方にご高齢者向け施設をご紹介することがライフコーディネーターの仕事なのですが、2011年の入社当初は、施設での生活と、介護サービスを利用してご自宅での生活を続ける在宅介護、どちらがご相談者さまにとって幸せなのかという迷いが自分の中にありました。迷いを感じたまま、施設のご紹介なんてできない!そう感じた私は、(あいらいふでは副業が許可されているので)在宅介護の現場を体験するために、就業後に訪問介護事業所で働こうと決意したんです。
介護スタッフとして未経験から働き始め、夜間の介護サービスを必要とするご家庭で働く暮らしを10年近く続けました。地道に実務経験を重ね、介護福祉士、ケアマネジャーの資格も取得しました。そして、さまざまなご家庭を訪ね、数えきれないほどのご高齢者を介護した経験から、必ずしも在宅介護を続けることばかりが幸せとは限らない。施設にも在宅介護にもそれぞれの良さがあり、どちらも必要なのだと心から実感できるようになったのです。迷いが晴れた後は、自信を持ってご相談者さまのライフステージに合わせた施設をご紹介できるようになりました。 -
信頼関係の構築を最も重視
- 日々、介護・医療関係者やご家族から多数のご相談が舞い込んでいます。信頼される理由は何でしょうか?
ご相談者さまの日常と密接に関わる仕事だからこそ、ご相談者さまの生活の延長線上にいるような自然な存在であろうと心がけています。
ご相談を受ける際は、対面での傾聴を重視しています。お人柄に触れ、これまでの生活の状況や、お身体の変化、変化の原因など、施設を探すことになった背景をしっかりとお聞きします。言葉と気持ちが違う場合もあるので、本当に伝えたいことは何かを想像し、言葉にできないニーズまで汲み取ろうと精一杯努めます。
その上で、営業職としてではなく、ご相談者さまが抱える問題を解決するにはどうすべきかだけをシンプルに考えて行動する。検討中の施設の状況をありのままお伝えして、ご相談者さまのイメージとギャップがあれば、どれだけ時間がかかっても丁寧にギャップを埋めるようにしています。
また、周囲の方々との信頼関係を築くことを何よりも重視しています。それはご相談者さまだけでなく、ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーなどの介護・医療関係者に対しても同様です。ご紹介をいただいた場合は、その後の報告を大切にしています。さらに、ご相談者さまが何にお困りで、どのようなアプローチを必要としているのかもお伝えするなど、地域の高齢者福祉を支えるチームの一員であると意識して、積極的に連携しています。
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ライフコーディネーターは 地域福祉に貢献する存在
- 地域との連携で印象に残っているケースはありますか?
以前、ご相談者さまへの私の関わり方が、ご高齢者の異変を地域の福祉につなげる際のモデルケースとして選ばれ、専門職が集まる地域ケア会議に招かれたこともありました。ライフコーディネーターを地域福祉に貢献する存在として認めていただき、本当にうれしかったですね。
10年以上同じ地域で働いていると、同じご相談者さまや医療関係者とのお付き合いが何年も続くことも珍しくありません。しかし、良好な関係を保ちながらも、中立公正な立場で施設のご紹介ができるよう、個人的に仲良くなるために時間を使う営業的なお付き合いは一切していません。それよりも、施設のご入居までには至らないちょっとしたお困りごとに対応するなど、ご相談者さまとの小さな関わりを増やすために時間を使いたい。こうした姿勢が、ご相談者さまからいただく信頼につながっていると思います。
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#これが私の天職
ずっと現場で働き続けたい- Q.ご自身と会社の将来について、どのようなビジョンを思い描いていますか?
以前から、施設紹介だけでなく在宅介護をサポートできる方法があったらいいのに、とずっと考えていました。現在は、あいらいふとして、日常的なお困りごとや不動産に関わるサポートまで「トータルサポート事業」として提供できるようになったので、本当に心強いです。私にとって、ライフコーディネーターは天職だと思っています。ずっと現場で働き続けたい。自分が身に付けた経験と知識を、あいらいふの仲間たちにも伝えていくことが、今後の課題です。