INTERVIEW

大切にしているのは、あきらめず最後まで「寄り添う」姿勢。

ライフコーディネーター 伊集院 涼子

  • #一期一会の精神で

    まず、印象に残ったご相談事例から聞かせてください。

    以前、娘さんと同居されていた、93歳の女性のサポートをさせていただいたことがありました。

    ご本人にお話をうかがうと、「安心できる運営会社」「部屋は西向き以外」「自宅から通いやすい」「24時間看護師常駐」「看取りまで対応」など、幾多のご要望がありました。中でも〝重要な条件〟が、「自宅で利用中のリモコン式ラジオプレイヤーで、ラジオが聴けること」でした。

    数々のホームのご見学時に、電波が入るか実際に試してみると、「ザーザー」と雑音が入ったり、FMは聞こえてもAMは聞こえなかったり。方角を変え、階を変え、居室や廊下で試してもダメでした。スマートスピーカーやネットラジオも提案してみましたが、ご自身で操作ができず断念。

    あらためて〝使い慣れたラジオでないと〟というお気持ちに正面から寄り添い、引き続きご見学の都度、そのラジオプレイヤーを持参し、あきらめずに探しました。

    途中、ご本人の体調不良や気候などで間が空いた時期もありましたが、毎週のようにお電話でお話をお聞きし、ご不安を解消しながら向き合い続け、〝すべての条件〟が揃ったホームに巡り合えてご入居先が決まったときは、心からホッとしました。

    ほぼ外出ができず、目も見えにくくなる中、お気に入りのラジオプレイヤーから流れる情報や音楽を聴いて過ごしたい。ふり返ると、ご要望の背景には、娘さんと離れる心細さや、お一人で暮らすことへの不安があったように思います。

    ご入居後には、ホームでの楽しげな写真を送っていただけました。1年半に及ぶ長期のご相談を経てご入居に至った、印象的な事例のひとつです。

  • 「置かれた場所で咲きなさい」の言葉のように

    お悩みやご希望を丸ごとコーディネートできる秘けつは何ですか?

    コーディネーターとして、ご相談者のお気持ちや価値観を尊重し、「課題を丁寧に聞き取ること」「寄り添いながら一緒に解決策を模索すること」を念頭に、最後までやり遂げることを心がけてきました。

    私の仕事のスタイルは、あいらいふに入社するまでの職務経験によって培われています。長きにわたり身を置いていた旅行業界では、旅の企画や手配にはじまり、添乗員として現場も経験。人事部門では社員からの相談に日々向き合い、課題を解決してきました。

    大きな転機となったのが、2020東京オリンピックの開催準備に関われたこと。オリンピックのオフィシャルパートナー企業でしたので、グループ会社の人材派遣チームと協力して何万人ものスタッフを確保したり、その方のスキルや専門性を活かせる配置をしたり。

    コーディネーターとして慌ただしい日々を過ごす中で、人と仕事を結びつけることの難しさとやりがいを経験してきました。

    たとえ未知の世界でも、目の前の仕事に情熱を注ぎ、自分のものにできるまで学び、事業に貢献できるようひたむきに努力する。この姿勢は、私の大好きな言葉「置かれた場所で咲きなさい」の精神からのものだと思っています。

  • 相談者の〝心の声〟を引き出し最善の選択へと導く

    ライフコーディネーターとして心がけていることや、伊集院さんの強みは?

    まずはご相談者がどのような状況で何を求めていらっしゃるのか、笑顔で丁寧にお話をうかがうこと。先入観を持たず、その方に合った解決策に導けるよう、わからない点は何でも聞いていただき、ミスマッチのないご提案を心がけています。

    また、あいらいふはホーム入居のご相談だけでなく、最近は終活のご相談も増えています。ご相談者の声から生まれたトータルサポートサービス(相続問題、身元保証など)も拡充し、ご相談者の多様なお悩みごとをワンストップで解決できる環境が整った〝シニアライフのトータルサポートカンパニー〟として、入居相談だけではないというお話もお伝えしています。

    自分の強みは、友人にもよく言われますが、いつでも誰でも、笑顔で話を聞けることです。あとは〝おせっかいおばちゃん〟のごとく、私の知っているお役立ち情報を共有したい(笑)。

    見学したホームで知り得た情報は、自前で資料を作成して社内で共有したり、ご家族への説明の際に添えています。けっこう喜んでもらえるんです。ちょっとおせっかいなくらいがちょうどいいのかもしれません。

  • 情報を収集し、有効活用する力

    伊集院さんにとってライフコーディネーターとは?これからのビジョンは?

    ライフコーディネーターとは、ご本人やご家族の人生の大切な一部分に関わらせていただく重要な仕事です。

    介護は終わりが見えない分、介護する側・される側の双方で悩んだり苦しまれているようすを目の当たりにすると、どうにか少しでも解決の糸口を見つけてご提案差し上げたくなり、さまざまな方法を考えます。

    ご相談者との出会いは一期一会。だからこそ、その方の想い、ご家族のお気持ちや価値観を尊重し、最大限の知識と知恵をしぼって向き合い、ご提案につなげることを大切にしています。

    情報があふれる世の中で、これからも選ばれる相談先であり続けるために。そして、素晴らしい仲間たちとともに〝笑顔とありがとうに満ちた社会〟の一翼を担うことができるよう、これからも貢献していきたい。それが、ライフコーディネーターとしての今後の目標です。


    取材・撮影/あいらいふ編集部
    文/山田ふみ

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