INTERVIEW

ご家族が抱える葛藤に耳を傾ける 後悔しないサポートを

ライフコーディネーター 竹下 美都

  • 介護をもっと身近な話題に!

    竹下さんとあいらいふとの出会いを教えてください。

    大学を卒業した後、理学療法士(以下、PT)として約3年間、リハビリ病院で働いていました。しかし、コロナ禍で人との接触が減る経験を通じて、収束後には逆に、より多くの人と関わる仕事がしたいと感じるようになりました。

    そして、転職サイトで「コーディネーター」というキーワードに興味を持ち、あいらいふを知ることになったのです。

  • なぜPTからライフコーディネーターへ転職されたのでしょうか。

    PTという職業の特性上、「患者さんが退院した後、ご自宅への帰宅を実現させる事が正しい選択」という考え方が自分の中に根付いていました。しかし、実際には入院期間中にご本人の認知症が進行し、ADL(日常生活動作)が向上しないケースも少なくありませんでした。

    また、ご家族の介護負担を考えると、ご自宅での介護が現実的ではない場面も多く見受けられました。仮にご本人の希望通りにご帰宅できたとしても、退院後に転倒などの事故が起きれば、元も子もありません。むしろ、高齢者向け施設で安全に生活する方が、ご本人にもご家族にもメリットが大きい場合もあります。

    一方で、一生懸命リハビリに取り組んでも、結果として施設へのご入居を迫られる方を見ると、何ともやりきれない感情が残ることもありました。

    そこで、ライフコーディネーターという役割であれば、PTとして培った知識や現場での経験を活かし、お手伝いできることがあるのではないかと思いました。

    ライフコーディネーターになってみて、これまでPTとして働いていた現場では気づかなかったことが多くありました。特に、ご本人のみならず、ご家族との深い関わりが求められる仕事ですので、その視点をより重視するようになりました。

    あいらいふでは、先輩から言われた「答えを出すのはあくまでもご利用者とご家族」という言葉を、いつも胸に留めています。どんなに寄り添ってアドバイスをしても、最終的な判断を下すのはご家族なので、ご家族が後悔されないようにサポートすることを、何よりも大切にしたいと感じています。そのため、適度な距離感を保ちながら、伝えるべきことはきちんとお伝えしています。

    お気持ちに寄り添いながらも、課題をきちんと整理し、冷静な視線を失わない。ご相談者とご家族がより良い「答え」を探す上での橋渡しとなる存在でありたいと願っています。

  • 急に訪れる家族の介護に備えて

    竹下さんの仕事のモットーはなんですか。

    施設へのご入居を検討されているご家族の皆さんに、必ずお伝えしていることがあります。たとえご本人に認知症があり、伝えたことをすぐに忘れてしまう状態であっても、「どうしても事情があって、施設に入ってもらわないといけない」ということを、必ず一度お伝えしてください、と。

    詳しい内容は覚えていなくても、心を尽くした説明によって「自分はきちんと説明を受け、納得した」という気持ちは残ります。その積み重ねが、ご本人とご家族の関係を守ることにつながると思うのです。

  • ご本人の了承や納得を得ずに、入居を決定するケースも少なくないのではないでしょうか?

    ご本人の認知症の状態によりますが「できる限り隠しごとをせず、正直にお伝えする方が良い」とお話ししています。

    認知症が進行している方の場合は、「お家に帰る準備のために、もう少しリハビリを続ける施設に行きますよ」という伝え方も一案ですが、ご入居後も良好な家族関係を保つためには、ご本人に「施設に入る」事実を隠さないで伝えてほしい。

  • 介護ではご家族が重要な決断をすることが多い一方で、相談しづらいと感じる方もいらっしゃいますね

    「介護」ってまだまだ話しにくい話題ですよね。「親が認知症で」とか、「施設を探していて」って、友人や同僚に言いにくいこともあります。その結果、一人で悩みや不安を抱え込んでしまうケースもあります。
    実際に介護を理由に休職したり、離職してしまう方々も目の当たりにしてきました。社会全体でもっと介護の話題に寛容であればいいのになぁ、と思います。

    そんな中、以前、ご相談を受けた方のご友人から入居のご相談をいただいたことがありました。もっとそういうつながりが、広がっていけばいいなって思うんです。

    介護については、施設へのご入居を検討されている世代の方はもちろん、その親御さんをサポートする世代、いわゆる娘さんや息子さん世代の人たちにも、知識や関心をもってほしいと感じています。

    介護が必要なタイミングは、ある日突然訪れることもあるので、その時になってあわてなくてもいいように、どこに相談したらいいのか、あらかじめわかっていた方が安心です。

    だから、私たちのような介護施設の情報を持つ、ライフコーディネーターの存在を、より多くの世代や幅広い層の方々に知ってもらいたいと考えています。

    取材・撮影:あいらいふ編集部 / 文:遠藤 るりこ

    あいらいふ入居相談室
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