【イベントレポート】第4回 Enijeチャリティーフットサル大会 in 味スタ 2024

多文化共生を考える
チャリティーフットサル大会に参加しました!
(『あいらいふ』vol.175(2025年1月30日発行号)より抜粋)
2024年秋、東京都調布市の味の素スタジアムで開催された一般社団法人Enije(エニジェ、以下Enije)主催のチャリティーフットサル大会。あいらいふは同大会にスポンサーとして参加し、社員で構成された2チームが出場しました。
Enijeの代表を務めるのは、ミュージシャン、モデル、明星大学客員講師などの多彩な肩書きを持つ矢野デイビットさん。見えない偏見と戦い、多様性に満ちたより良い社会づくりに向き合う姿に共感して、あいらいふは矢野デイビットさんとEnijeの活動を応援しています。

孤独を抱える子どもたちに
楽しみや喜びを伝えたい
矢野デイビットさんは、西アフリカのギニア湾に面するガーナ共和国出身。日本人の父親とガーナ人の母親の間に生まれ、6歳のときに家族で日本に移住しました。8歳のときに両親と離れ離れになり、3歳上の兄、2歳下の弟とともに、児童養護施設で18歳まで生活することになります。
幸い、施設では教育の機会に恵まれ、大好きな音楽やサッカーに打ち込みながら、大学へ進学する夢も叶いました。大学在学中には、自身のもう一つのルーツであるガーナを訪れる機会も得ます。
転機となったのは、25歳で渡航した2度目のガーナ滞在時でした。道ばたでお金をねだってきたストリートチルドレンの兄妹が、幼い頃の自分に似ていたことに衝撃を受けたのです。
「僕が彼だったかもしれない」。自身の幼少期と重ね合わせた経験が、デイビットさんの「誰にも守ってもらえない、孤独を抱える子どもたちを守る」という意識に火をつけ、教育や文化交流を通じてガーナの子どもたちを支援する「Enije(ガーナ語で楽しむ、喜び)」の設立につながりました。
Enijeは、ガーナでの児童支援を中心に活動を展開しています。2010年には、半壊していた幼稚園を修復・再建し、その後、中学校も建設しました。
また、ハード面だけではなく、現地の大人が子どもから尊敬されるような自尊心を養うことが本当の意味での自立支援につながると考え、地域を巻き込んで、運動会やサッカー大会を企画しながら支援を続けています。

ガーナで開催した運動会でのひとこま
加えて、日本国内でのチャリティー活動にも力を注ぎ、フットサル大会や「地球大運動会」などのイベントを主催しています。
特に、さまざまなマイノリティの人たちが分け隔てなく参加できることを目的とした「地球大運動会」には、どんな人とも共に楽しく生きることを体験したい!そして、明日からの人生をより豊かにしたい!というデイビットさんの熱いメッセージが込められています。
2024年11月9日に開催された今回のチャリティーフットサル大会も、男女混合チームに加えて、子どもや外国人、ハイレベルな選手たちが混じり合った多様性あふれる十数チームが結成され、試合に臨みました。
また、試合だけではなく、東京ヴェルディフットサルチームによるフットサルクリニックも開かれました。会場は笑顔にあふれ、スポーツを通じて、異なる背景を持つ参加者同士の心地よい交流の輪が広がりました。 今回のイベントで得られた収益は、運営費を除くすべてが、孤児院建設をはじめとするガーナの自立支援のための活動資金に充てられる予定です。
マイノリティへの確かな共感
多様性にあふれた社会を目指して
デイビットさんの活動は、一人ひとりができることを積み重ねることで、教育環境の整備や地域支援の輪が広がり、最終的に子どもたちの未来の可能性が広がることを目標としています。
デイビットさんが掲げる理念や活動は、あいらいふが重視する「Pay it Forward(ペイフォワード:恩送り)」の精神と深く結びついています。
地域や社会の支え合いを重要視しながら社会課題の解決に挑む姿勢も共通しており、デイビットさんの活動に対する支援は、あいらいふの理念に直結すると考えています。
多文化共生、多様性の考え方も、ユカリアグループにおけるDEIの取り組みと共通しています。
あいらいふは今回のチャリティーイベントへの協賛について、さまざまなマイノリティの立場に置かれた方に目を向け、社会の多様性を意識する機会となり、
誰もが笑顔でいられる豊かな未来の創造に向けて、そしてあいらいふのビジョンである「介護の悩みのない社会」の実現に向けて、大きな意義があったと考えます。
あいらいふでは、引き続き“すべての人が生きやすい”多様性実現のための社会貢献活動に注力して参ります。
正解のない多様性の中で、「介護の悩みのない社会」へ向かって。
Dribble(ドリブル) & Pay it Forward(恩送り) = Pass(パス)!!

【プロフィール】
矢野デイビットさん DAVID YANO
1981年4月7日生まれ。日本とガーナにルーツを持つ社会活動家。幼少期に日本に移住、8歳から18歳まで日本の児童養護施設で育ちながら、音楽やスポーツに親しみ、現在はミュージシャン、モデル、明星大学客員講師として幅広く活動中。教育や文化交流を通じてガーナの子どもたちを支援する「一般社団法人Enije」を設立し、多文化共生を推進するプロジェクトを展開している。他にも自身の体験をもとに、アイデンティティ、自己肯定感の重要性、夢を持つことの意義などをテーマにした講演やチャリティーイベントを展開。
Enijeホームページ
矢野デイビットさんオフィシャルサイト
取材・文:あいらいふ編集部
資料提供:一般社団法人Enije
豊かなシニアライフのための情報誌『あいらいふ』編集部
【誌名】『あいらいふ』vol.175(2025年1月30日発行号)
【概要】初めて老人ホームを探すご家族さまの施設選びのポイントをさまざまな切り口でわかりやすく解説。著名人に介護経験を語っていただくインタビュー記事のほか、人生やシニアライフを豊かにするためのさまざまな情報や話題を取り上げて掲載。
【発行部数】4万部
【配布場所】市区役所の高齢者介護担当窓口・社会福祉協議会・地域包括支援センター・居宅介護支援事業所・訪問看護ステーション・病院・薬局など1万か所