相談事例

脳梗塞で倒れた母親にマヒが残りました。老健の退所期限が迫っているので困っています。

〈ご本人さま〉80代 女性 要介護1
      脳梗塞を患いリハビリ中
〈ご家族さま〉娘さま
〈入居ホーム〉介護付き有料老人ホーム

80代のお母さまは、自宅にいるとき急に言葉が出てこなくなり、同居する娘さまに付き添われて救急搬送された病院で脳梗塞と診断されました。

薬物療法である程度回復しましたが、マヒが残り介護老人保健施設(老健)へ。懸命にリハビリを行っていましたが、利き手側の右半身にマヒがあるため食事やお風呂は介助が必要で、おむつも手放せず、今後も生活に不便をきたすことが予想されました。

退所後の受け入れ先として老人ホームを

一般的に老健の入所期間の目安は3か月(最長6か月)で、お母さまはそろそろ退所期限が迫っていました。この状態での自宅復帰は難しいと考えた娘さま。相談したケアマネジャーさまから弊社を紹介され、「退所後の受け入れ先として老人ホームを探してほしい」と依頼を受けました。

娘さまは老健並みのリハビリを希望

早速、娘さまと面談をしてご要望をお聞きしたところ、お母さまと娘さまはリハビリの継続を望んでおり、「リハビリ専門のスタッフがいる」ことを第1条件とされました。

また、娘さまにはもうひとつ条件があり、通いやすさを考えて「自宅から車で10分圏内の老人ホームを探してください」とのことでした。

老健並みのリハビリを希望されているのでしたら、理学療法士や作業療法士による個別リハビリを受けられるとベストです。しかし、ご希望のエリアでは個別リハビリができる老人ホームの該当がありませんでした。

その旨を娘さまにお伝えしたところ、「インターネットで老人ホームを検索してみたけれど、うちの近所の老人ホームはリハビリができると書いてある。本当に探しているのか」と苛立ちを隠せないご様子です。

一口にリハビリといっても内容はまったく違う

けがや病気で損なわれた身体機能を、リハビリによって回復可能な状態にまでするのが理学療法です。理学療法後、残存する能力を使ってやりたいことを実現するのが作業療法です。例えば作業療法では、「脳梗塞の後遺症で脚を自由に動かせないけれど旅行に行きたい」という場合、その希望に沿って補助具や訓練内容を選択し、実現できるように支援します。

娘さまがインターネットで見つけた老人ホームのリハビリは、理学療法や作業療法ではなく、生活リハビリのことでした。生活リハビリとは、立つ、歩く、座る、着替える、歯を磨く、食べるなど、日常生活の中で行われる動作を適切に支援することにより、身体機能や生活能力の維持・向上につなげるものです。

このように一概にリハビリといっても、その内容はさまざまです。ホームページやパンフレットでは詳しく説明されていない場合もあるため、初めて老人ホームを探す方には、判断が難しいかもしれません。

エリアを広げて再選定

各種リハビリの違いを娘さまに説明し、エリアを広げて再選定をすることになりました。車で30分圏内までエリアを広げたことで、理学療法士と作業療法士が常勤し、個別リハビリを受けることができる老人ホームをご提案することができました。

この老人ホームはオープンしたばかりでご入居者が少なく、満室の老人ホームよりリハビリのスケジュールを組みやすいという点も娘さまの心を掴んだようで、無事に老健の退所期限前に契約に至ることができました。

お母さまは毎日リハビリに励んだ結果、介護用スプーンを使って食事をすることができるようになり、歩行機能も以前より改善傾向にあると、娘さまからお聞きしています。

ポイント

● 老人ホームに入居する場合は、入居するご高齢者に代わって責任を負う身元保証人が必要です。緊急時の連絡、老人ホームへの利用料支払いの連帯保証、病院での治療方針の判断、老人ホームを退去する際(死亡を含む)の身柄の引き取りなどを行います。
● 一般的にサービスが同程度の場合、都心より郊外のほうが割安です。

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