【知っトク「注目のトピック」vol.07】積極的に社会参加ができる「ショッピングリハビリ®」とは?人と街が元気になる画期的な取り組みに注目
デイサービス(通所介護)といえば、事業所内でご高齢者に入浴・食事などの介護や機能訓練、レクリエーションを提供するといったイメージが一般的です。今回はそんな常識を覆す、エンターテイメント性に優れ、社会参加につながる取り組み「ショッピングリハビリ®」をご紹介します。
買い物を楽しむこと自体が
高齢者のリハビリに
多くの方が日常の中で何気なく行っている買い物という行為には、実は歩行するための運動能力、購入費を予算内に収める計算能力、店員と会話をするコミュニケーション能力など、さまざまな能力が使われています。
実際のプログラムでは、事前の体調チェックや準備運動などを含め、2~3時間ほどかけて次のメニュー(※)を実施します。
① 自宅からデイサービスまで送迎
② 脈拍・体温・血圧などを確認するバイタルチェック
③ 歩行訓練
④ 健康体操
⑤ ショッピングリハビリ
⑥ 自宅への送迎
※自治体や導入方法により提供時間・一部のサービスは変更されます。
「ショッピングリハビリ」の舞台は、一般の買い物客が行きかう商業施設の中。リハビリを行うご高齢者は、付き添いのスタッフと一緒に、専用のカートを使って買い物を楽しみます。その間の歩行や、自宅の冷蔵庫の中身を思い出す行為、欲しい商品の探索、商品の選別・吟味などが、そのまま身体機能と認知機能の維持・改善に役立つプログラムとなっており、ご利用者からも、常連の買い物客の増加につながる商業施設からも、好評を得ています。
高齢者の健康維持に加え
地域課題の解決にも貢献
リハビリの場となる商業施設内に開設しているデイサービスの場合は、一連の流れを施設内で行うことができます。外部にあるデイサービスであれば、準備運動などを終えてから商業施設に移動し、ショッピングリハビリを実施することが可能です。このように導入しやすい点も評価され、「ショッピングリハビリ」の導入拠点は、日本全国で着実に広がりを見せています。
さらに、買い物に行きたいけれど移動手段がない〝買い物難民〟問題の解決、消費活動による地元経済の活性化といった地域への貢献性の高さも、一般的なリハビリにはない大きな特徴です。高齢者の健康維持と生活支援、そして地域課題の解決に貢献し、〝人と街を元気にする〟取り組みは、今後さらにサービス提供地域が拡大していくことが期待されます。
作業療法士が開発した
機能的かつデザイン性の高い
買い物カート
もうひとつ、注目したい点が、「ショッピングリハビリ」に欠かせないツール。介護施設などでリハビリに使用する歩行器と、買い物カートを組み合わせて開発された、「楽々カート®」(写真下)です。作業療法士と自転車製造会社が協力して試作を重ね、前腕を乗せる台や、高さを調整する機能、歩行を邪魔しない足回りの形状など、細部まで工夫を凝らして使いやすさを追求した、完成度の高い製品です。
また、曲線を多用したフォルムと、どの年代の方にも馴染むライトグリーンのカラーリングで、福祉用具がもつ従来のイメージを一新。見た目にも若々しいデザインは、誰もが使いたくなる印象を与えます。
実際に、高齢者以外の方でも「楽々カート」を使えるように設置している、兵庫県宝塚市の商業施設・イズミヤでは、同カートを使用した妊娠中の方や足腰に不調がある方から「とても楽に歩けて使いやすい」と大変評判が良いそうです。
今回の記事でご紹介した「楽々カート」や「ショッピングリハビリ」にご興味のある企業の方は、ショッピングリハビリカンパニー(株)まで、お問い合わせください。
ショッピングリハビリカンパニー(株)は、 「ショッピングリハビリで日本中の人と街を元気に!」することを目指し、その実現のために各地の行政・介護事業者との連携を進めています。
「ショッピングリハビリ®」
https://shopping-reha.com/
介護情報誌『あいらいふ』編集部
【誌名】『あいらいふ 2023年12-2024年1月号』
【概要】 初めて老人ホームを探すご家族さまの施設選びのポイントをさまざまな切り口でわかりやすく解説。著名人に介護経験を語っていただくインタビュー記事他、人生やシニアライフを豊かにするためのさまざまな情報や話題を取り上げて掲載。
【発行部数】4万部
【配布場所】市区役所高齢者介護担当窓口・社会福祉協議会・地域包括支援センター・居宅介護支援事業所・訪問看護ステーション・病院・薬局など1万か所