老人ホームで、実際にどのようなケアをしているのか見てみましょう。

 老人ホームというと、寝たきりや車イスの人が入居するというイメージで、それ以外の重い医療状態である場合、受入れ対象となるのか見当がつかないという方も多いのではないでしょうか。
 ホームは病院と自宅の中間にある、生活が主体の施設です。したがって、大半のケースは受入れ可能です。しかし裏を返せば、病院並みの医療ケアは望めないともいえます。
 また、ホームはどこも一緒ではありません。サービス内容はホームごとに特色があるため、疾病や家族状況などを複合的に考慮し、最適なホームを選ぶことが必要です。

 

認知症、骨折、脳梗塞の方

一般的な老人ホーム

ほとんどの疾病は受入れ可能です。まずは相談してみましょう。

老人ホームは生活の場です。したがって療養生活は可能です。病院に入院中、認知症を併発した場合も老人ホームでの受入れは可能。手術後に精神状態が不安定になる「せん妄」は退院すると回復することがあります。
徘徊は意味ある行動。一文字の構造がベスト。死角をカバーするために共用部のみカメラを導入しているホームもある。
徘徊は意味ある行動。一文字の構造がベスト。死角をカバーするために共用部のみカメラを導入しているホームもある。
グループホームは、比較的身のまわりのことが自分でできる認知症の方を対象とする地域密着型の施設。5~9人で、それぞれが役割分担しながら共同生活をする。
グループホームは、比較的身のまわりのことが自分でできる認知症の方を対象とする地域密着型の施設。5~9人で、それぞれが役割分担しながら共同生活をする。

癌(ガン)の方

24時間看護スタッフが常勤の老人ホーム

スタッフやほかの入居者に囲まれ、最期まで孤独感なく過ごすことができます。

老人ホームでは、高齢でがんの進行が緩やかであることなどから積極的な治療を望まず、癌(ガン)と共存されている方が多数います。癌(ガン)のステージが進んでいる場合は、痛みを抑える処置を受けながら、夜間でも穏やかに過ごせる体制となっています。将来的な看取りなどの関係上、ホームの往診医が主治医となります。ホームでの生活は、ほかの入居者とほぼ変わりません。

急な痛みでも、医師が処方した医療用麻薬を看護スタッフの判断により投与される。

急な痛みでも、医師が処方した医療用麻薬を看護スタッフの判断により投与される。

スタッフや入居者に囲まれ、最期まで孤独感なく過ごせる。

スタッフや入居者に囲まれ、最期まで孤独感なく過ごせる。

症状が進行して歩行困難になっても、車イスや杖歩行での散歩が可能。

症状が進行して歩行困難になっても、車イスや杖歩行での散歩が可能。

胃ろう、腸ろうなどの経管栄養の方

医療対応フロアがある老人ホーム

ベッドで過ごす時間が長い生活なので、気分転換のための配慮がポイントになります。

胃ろうの栄養剤などのセットは、医療従事者のみ行うことができるものなので、ホームでは看護スタッフが担います。痰(たん)の吸引については、所定の条件を満たした介護スタッフが行うケースもあります。ゼリーなどの経口摂取を家族が希望する場合、医療機関やホームと協議を行った上で、家族から本人への提供を可能とするホームもあります。
外の景色が見えるなど、室内で快適に過ごせる空間づくりが大切。
一般浴槽では入浴不可能なので、機械浴槽設備を利用。
一般的には4 ~ 6か月に1回、病院で胃ろうカテーテルの交換を行う必要がある。

IVH(中心静脈栄養)の方

ホーム往診医がIVHを取り扱う
訪問看護ステーションと連携している老人ホーム

過去に受入れ実績のあるホームを選ぶとより安心です。

点滴で血管から栄養補給するIVHを行っている方の場合、多くはCVポート点滴の注入口が皮下に埋め込んであることが条件です。点滴の針やカテーテルの交換は、ホームの往診医が行うため、IVHの扱いに慣れているかなど、事前に確認。24時間看護スタッフ常勤のホームがよいでしょう。
点滴は毎日7~8時間かかるので、適度な気分転換が必要。
点滴は毎日7~8時間かかるので、適度な気分転換が必要。
高カロリー輸液の交換は、原則として看護スタッフが行う。
高カロリー輸液の交換は、原則として看護スタッフが行う。

在宅酸素療法の方

般的な老人ホーム

機器の取り扱い経験者のいるホームや受入れ実績があるホームを選ぶと安心です。

使用する酸素ボンベの補充は、一般的に看護スタッフが酸素取扱業者と連携して行います。在宅酸素療法を行っていても、生活上の特別な制約はなく、食事や入浴、レクリエーションなど他の入居者と変わらず過ごすことができます。
居室では設置型の酸素濃縮装置を使用。健康管理室には予備のボンベが置かれているので安心。
居室では設置型の酸素濃縮装置を使用。健康管理室には予備のボンベが置かれているので安心。

人工呼吸器、疥癬の方

受入れが困難なケース
人工呼吸器で受入れ不可となる理由の多くは、大規模災害時の電源確保などが困難になるおそれがあり、最悪の事態を想定するためです。疥癬は隔離対象となる疾病で、完治した後なら入居可能です。
気管切開を伴わず、身体への負担が少ないNPPVという方法(バイパップやシーパップとも呼ばれる)の場合は、受入れ可とするホームもある。

人工透析の方

透析病院と連携している老人ホーム

容体の急変を想定し、透析病院と提携しているホームを選ぶと安心です。

人工透析を行っている場合、容体が急変したときに一般の病院では対応できないので、透析病院に搬送・入院となります。その事態を想定し、ホームの往診医だけでなく、透析病院とも契約を結んでおくことになります。したがって、その透析病院がホームの協力病院または提携病院であるのがベストです。
人工透析を行っている方は身体障害者1級の「保護されるべき人」。ホームと透析病院などの医療機関が連携して支える体制が整っているかが重要。
人工透析を行っている方は身体障害者1級の「保護されるべき人」。ホームと透析病院などの医療機関が連携して支える体制が整っているかが重要。
塩分やたんぱく、カロリー、水分などの制限が必要。ホームが適切に管理してくれる。
塩分やたんぱく、カロリー、水分などの制限が必要。ホームが適切に管理してくれる。

特定疾病の方

医療対応フロアがある老人ホーム

特定疾病に該当する場合は、40歳からホーム入居可能です

一般的な高齢者介護施設は「65歳以上で要介護認定あり」が入居要件ですが、厚生労働省が指定する「特定疾病」に該当して介護認定を受けている場合、40歳以上65歳未満でも入居できることがあります。ただ、ホームのケアスタッフは女性が多く、運営上の配慮が必要となるため、男性は審査のハードルが高くなります。
  1. 末期癌(ガン)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靭帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗しょう症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
進行性のマヒなど、現時点で症状が軽くても今後進行する疾病の場合は、退院時点で自宅復帰ではなく老人ホームへの入居を選択する方が多い。

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