コロナ禍における、老人ホーム入居の条件とは?
コロナ禍の今、老人ホームへ入居するには?
いざ入居。「感染症の確認」は、老人ホームの入居審査では必須
前回、新型コロナウイルスへの感染防止対策を講じた老人ホームを見学する際の条件や注意点について、ご紹介しました。実際に見学し、いざ入居へと進んだ場合、次にクリアしなければならないのは、入居に関する条件です。特に、在宅からではなく、病院を退院後、そのまま老人ホームへの入居を希望する場合は、老人ホーム側でもより慎重にならざるを得ません。
老人ホームは、共同生活の場です。そして、免疫力が下がり、様々な感染症にかかりやすい高齢の入居者が暮らしています。そのため、日頃から感染症対策をしっかりと行っています。例えば、老人ホームへの入居審査の1つに「健康診断書」の提出があります。入居前にMRSA(=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や結核などの感染症の有無を確認することで、施設内に感染症が拡がることを未然に防ぐことができます。このように、介護施設においては、「感染症の確認」が必須となります。
新型コロナウイルス、対策の基本姿勢は同じ、でも、入居の条件は…
新型コロナウイルスの場合も、基本姿勢は、他の感染症と同じになります。ただ、新型コロナウイルスは、感染力も高く、緊急事態宣言が解除されてからつかの間、東京アラートが発動されるなど、少しの気の緩みが、感染の再拡大につながる可能性があります。
そのため、現在、老人ホームにおいても、平常時よりさらに慎重な対応をとっています。あいらいふ相談室が、現在も入居を受け入れる老人ホームに確認しましたところ、「コロナ禍において入居する際の条件」の例として、次のようなことを挙げています。
老人ホーム入居の条件
入居者ご本人
- ・在宅や施設からの入居の方
- ・クラスターが発生していない病院からの入居の方
など
入居前と入居時の条件
- ・入居前1~2週間の検温で、37度以上/37.5度以上でないこと
- ・退院時など入居直前に、2週間の経過観察を行い、体調不良などがない場合
- ・入院先などによる、CT検査や胸部レントゲン検査の結果、問題がないこと
など
入居後の条件
- ・入居後、一定期間(1~2週間など)の居室のみでの生活
など
(2020年5月15日現在、あいらいふ入居相談室調べ ※時期や状況により、内容が変更となる可能性があります)
上に挙げられた条件は、あくまでも一例となりますので、すべての条件を満たさなければ、入居できないというわけではありません。また、求められる条件も、老人ホームによって異なります。緊急時などには相談に応じてくれる老人ホームも多くありますので、お困りの際には、早めに相談することをお勧めいたします。
With コロナ時代へ向けて万全の体制を
最近Withコロナという言葉を耳にしますが、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、社会全体が意識や行動の変容を求められています。
在宅ワークが拡大し、世の中が在宅を中心とした生活へ移行しつつあります。在宅で過ごす時間が増えたためでしょうか、在宅介護を選ぶご家族も増えてきているようです。それでも、いつかは「在宅介護が限界」と感じる時期がきます。
Withコロナ時代を見据えて、「今いる入居者を守りながら、新たな入居者を受け入れるための最善の方法」を模索する老人ホームは、これからも増えていくことでしょう。