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私の「介護・医療記事」の読み方 Vol. 33

〈特別編〉介護情報を伝える上で、どんな点に注意を払っているのか?

「認知症の問題行動への対応は難しい。そこで、生活の中で実践できる対処法を取扱説明書のように整理しました」

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「精神科の先生は、重度の認知症を専門に診る役目。眼科医であるからこそ、軽度の方、兆しのある方の状況がわかるのでしょう」
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SBクリエイティブ 株式会社

学芸書籍編集部

杉浦博道

神奈川県出身。東京理科大学卒業。ゲーム誌、モノ系雑誌、ライフスタイル誌など雑誌編集を経て、現在は、書籍編集がメイン。ビジネス書、生活実用書、新書、漫画、タレント本を主に担当する。「字だらけの本が苦手な自分でもスラスラ読める本づくり」を目指している。

姉妹本の『老人の取扱説明書』と合わせて18万部をこえる発行部数となった『認知症の取扱説明書』。編集を担当したSBクリエイティブの杉浦博道さんに、この書籍を制作する上で注意を払った点について聞きました。

眼科医が10万人の高齢者を診て整理したノウハウ

 

 2017年9月に刊行した『老人の取扱説明書』の売行きが好調だったことを受け、すぐに第2弾となる『認知症の取扱説明書』の出版が決まりました。この本では、眼科医として10万人以上の高齢者を診ている平松類先生が、認知症によると考えられる高齢者の問題行動について原因を検証し、周囲の人や本人がとるべき解決策を提案しています。

 執筆にあたって、先生にはどんな問題についても「病院に行きましょう」という結論にはせず、とにかく普段の生活の中で実践できる対処法を挙げてほしいとお願いしました。

 それを受けて書かれた内容は、具体的で、何をすればよいかがわかりやすいものになっています。例えば、おもらしについては、トイレの場所や使い方、服の脱ぎ方、あるいは尿意自体が「わからない」からだと原因を分析し、その上で、「トイレと大書した紙を貼って場所をわかりやすくする」「着脱しやすいゴム式のズボンにする」など、対処法を詳細かつ具体的に示しています。

 

 

「あきらめない。何かできることはないかと思考を回転させる」

 

 読者からの反響も大きく、親が、なぜ困った行動をとってしまうのか、本人の立場に立って理解することができ、「親に優しく接することができるようになった」という声が目立ちます。私自身も要介護の親を持つ身として、同じことを実感しています。

 この本は、「あきらめない」ことに執着してつくりました。認知症だから、高齢だからとあきらめるべきではありません。問題行動の原因がわかれば解決策はある。しかも、簡単に実践できることも少なくありません。思考停止に陥らず、何かできることはないかと考えてほしい。それがこの本に込めた願いです。手に取ってくださった方々に、その思いが伝わっていれば嬉しいですね。

 

 

※月刊あいらいふ2019年1月号を再掲載したものです。

2019.01 あいらいふ 掲載

取材: 堀江令子 / 撮影: 近藤豊

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