相談事例

空き家となる自宅の不動産売却と老人ホーム選びを同時に進めたい

〈ご本人さま〉70代 男性 独り暮らし
      脳梗塞により自立から要介護状態へ
〈ご家族さま〉弟さま
〈入居ホーム〉介護付き有料老人ホーム

独り暮らしの70代のお兄さまはご自宅で脳梗塞を発症。近所に住む弟さまに発見されて入院することになりました。幸い発見が早く歩行器を使って歩けるまで回復しましたが、退院後の独りの生活に不安を感じ、弟さまと相談して老人ホームへ入居することを決めました。

お兄さまはあまり社交的ではないため、レクリエーションやサークル活動への参加は望んでいません。そして、現時点では身の回りのことは自分でできるので、過度な干渉のない老人ホームを希望されました。

空き家となる自宅はどうする?

老人ホームの選定は順調に進んでいましたが、お兄さまが住んでいるご自宅が、空き家になってしまうという問題に直面。維持費が思いのほかかかることと、なんといっても災害や犯罪被害のリスクが大きく、例えば、「台風で屋根瓦が飛散してけがをさせてしまった」「放火されて隣家に延焼してしまった」など、空き家がもたらす損害は所有者がその損害責任を負うことになります。

そこで、これらの不安を解消するべく、弊社が行う「不動産サポート」のご利用を提案しました。今回のような「空き家のリスクを回避したい」というご相談もそうですが、とくに多いのが「自宅を売却して入居資金に充てたい」「現金化して、老人ホームの介護サービスや暮らし方の質をあげたい」というものです。希望にかなう老人ホームを探す一方で、ご自宅の売却に関しては不動産専門の相談員に引き継ぎました。

不動産を売却して入居の資金に

不動産売却といえば、街の不動産業者に仲介を依頼して購入者を探してもらうのが一般的なイメージです。この場合、市場価格に準じた金額で売却できる可能性がありますが、デメリットもあります。売却までにかなりの期間を要すること、リフォームや残置物撤去のために費用がかかること、売却後も契約不適合責任を負うので損害賠償のリスクがあることなどです。また、売主として不動産業者と買主に対峙しなければならないので、交渉に慣れていない方にはとても負担が大きいです。

弊社の不動産サポートは、「仲介」による売却のほかに、複数の不動産買取業者と交渉し条件に合う業者への売却を家主さまに提案する「業者買取」があります。業者買取は、リフォームや残置物撤去の費用がかからないことと、契約不適合責任が免責されるので売却後のクレーム対応がありません。そして最大のメリットは、すぐに現金化が可能なので、老人ホームへの入居スケジュールに合わせられることです。

入居のスケジュールに合わせて不動産売却が完了

不動産専門相談員は、お兄さまと弟さまにお会いしてメリットだけではなくデメリットももれなく説明し、ご納得いただいた上で査定に移りました。まずは、路線価や過去の取引状況などを加味しておおよその売却価格を提示します。了解をいただいた後、実地調査を行い正式な売却価格を算出。合意を得て契約に至りました。契約にはご本人さまの意思確認が必要です。今回はお兄さまと弟さま、司法書士、不動産専門相談員で記録を取りながら契約を進めていきました。

入居相談員は、不動産専門相談員から逐一報告を受け進捗状況を確認しながら、3軒の老人ホームをご提案しました。その中でも弟さまの自宅に近く、入居後もこれまでと同様の生活が営めるミニキッチンや冷蔵庫置き場、洗濯機置き場などがある、居室環境が充実した介護付有料老人ホームを気に入っていただけました。介護が必要になるかもしれない将来を見据え、介護付をご提案したことで安心もプラスされたようです。

お二人は、入居前に自宅の売却が決まって空き家となる憂いや生活費の心配もクリアでき、心置きなく老人ホームでの新生活をスタートできると喜んでいらっしゃいました。

ポイント

● 老人ホームに入居する場合は、入居するご高齢者に代わって責任を負う身元保証人が必要です。緊急時の連絡、老人ホームへの利用料支払いの連帯保証、病院での治療方針の判断、老人ホームを退去する際(死亡を含む)の身柄の引き取りなどを行います。
● 一般的にサービスが同程度の場合、都心より郊外のほうが割安です。

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