急な入院。急な退院告知。そんなときに頼りになるのが、病院の退院支援相談員です。一般的には、医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれ、患者とその家族の退院をサポートしています。

 いざというときに頼りになるMSWに、あいらいふ入居相談室がアンケートを実施。そのホンネから、病院における「退院の実際」をレポートします。



Q1.退院告知から退院までの日数は?


 退院告知から14日以内が最も多く、次いで1か月以内。7日以内という短期間での退院も一定程度ありました。

 制度の改定もあり、入院後、3日以内に患者またはそのご家族と面談するルールになっています。国の財政面における施策が色濃く反映しています。

 「決断」を迫られることになるので、早めに家族会議を行うのがよいでしょう。



Q2.退院先に「介護施設」を選択した場合、家族の希望で多いことは?


 1位「リハビリの継続」、2位「認知症ケア」。その差は、なんとダブルスコア。「もっとリハビリをしたい」という希望が鮮明になりました。

 医療保険の財政難が色濃く反映している結果に。平成30年の診療報酬改定でも、医療と介護の連携が全面に打ち出されています。大抵の場合は、疾病ごとに入院できる最大日数があらかじめ決まっています。

 「急な退院」とならないように、入院時から「退院日」を意識する必要がありそうです。



Q3.退院時に「介護施設」を選択した場合、何の調整で困ることが多いですか?


 経鼻経管栄養が1位。意外にも5位に「家族の理解」がランクイン。

 MSWと、患者ご家族の「認識のズレ」が、MSWの苦悩となっています。患者ご家族からすれば、「昨日までピンピンしていて元気だった。突然倒れてマヒもあるのに、退院なんて考えられない!」と、思うのは当然のことでしょう。

 一方、MSWは「病院は『病』の院。一命を取り留めるのが仕事」という温度差があります。MSWは、双方の間に立ち、円滑な退院支援をするよう努力しています。ここは、患者ご家族が歩み寄る必要がありそうです。


 MSWは在宅復帰・転院・介護施設への入居の方法や、その社会的資源のマッチングをしたり、各種調整を行っています。しかし、有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅については、急成長している分野で情報収集が追いつきません。

 そこで、あいらいふ入居相談室は、その部分をMSWからの要請を受けて、選定や、ご家族からのヒアリング、見学同行サービスなどを無料提供しているのです。


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