介護度で見る老人ホームの種類と選び方

老人ホームの入居に向けた決断に対して不安を抱える方に、まずお伝えしたいのは、代表的な3つの「種類・特性」です。

「老人ホームは、どんな所？」最初の一歩は、その理解から

これまで「老人ホーム」というものに縁がなかった方にとって、老人ホームの選び方はわからないことだらけです。まず戸惑うポイントの1つが漠然と「老人ホーム」としてひとくくりに認識していた施設には、いくつもの種類が存在するということ。有料老人ホームには「介護付」と「住宅型」の2種類があり、さらに近年ではデイサービスを併設した介護提供型の「サービス付き高齢者向け住宅」が充実傾向にあり、その選択肢が広がっています。老人ホームの選び方は、ご本人の現在の心身状態と、将来の希望、特に「看取り」に関してどのような対応を望むかによって異なります。まずは、老人ホームがどのような所かを理解することから始めましょう。

介護度と入居期間で考えてみる

どの種類が最適であるかは、ご本人の心身状態（介護度）に加え、どのくらいの期間をどのように暮らしたいかによって、概ね判断できます。医療依存度が高い方や、認知証が中・重度の方は「介護付」が安心です。これまでのデイサービスを継続利用したいなどの希望がある場合には、介護サービスをオーダーメイドできる「住宅型」がベターでしょう。「サービス付き」は、暮らしに介入される煩わしさが少なく、比較的低価格で、自立生活が可能な方でも快適に過ごすことができます。

入居時期は、ある程度の介護度が進んでから入居する「介護付」では相対的に短く、自立生活が可能なうちから入居する方の多い「サービス付き」では、長くなると想定されます。「住宅型」は、両者の中間です。

例えば、「要介護3」で身体にマヒがあるという方は、相応の介護サービスを受けられることが優先事項となります。

「介護付有料老人ホーム」とは？

「パッケージングされた介護サービス」で、安心して過ごす

介護サービスは、ホームの介護スタッフが24時間体制で提供します。「入居者3人に対して介護スタッフ1人」という人員配置で、医療依存度が高い方でも安心して過ごすことができます。また、中・重度の認知症の方にも対応しているホームが多いのも特徴です。介護費用は、介護度に応じて介護保険の自己負担分を支払うので、月々の費用が計算しやすく、費用面での安心度が高いのもメリットです。

「住宅型有料老人ホーム」とは？

自分に合った「オーダーメイドの介護サービス」が受けられる

介護サービスには、訪問介護を利用します。ホームに居宅介護のための事業所が併設されていて、そこから生活支援や訪問介護のサービスが提供されるのが一般的です。介護度などに応じて、自分が必要とするサービスを必要な分だけ受け取ることができ、自由な暮らしを実現しやすい柔軟さがメリットです。条件が整えば、入浴介助の回数を増したり、使い慣れたデイサービスを継続して利用することもできます。