胃ろうのリハビリに向いた施設を探したい
相談者の概況
お父様は、脳梗塞で重度の嚥下障害になり胃ろうを造設。リハビリ病院で嚥下訓練を行い、ゼリーを食べられるまでに改善しました。娘様は、お父様が口から食べられるようにリハビリができるホームを探しています。 相談員は実際に経口摂取になったご入居者様のいるホームで、入居費を抑えつつ、外部のリハビリサービスを利用する方法を提案しました。
【困っていること】
・父は脳梗塞で倒れ、身体にはマヒと重度の嚥下(えんげ)障害が残った。
・入院中にゼリーを少し食べられるまでに回復したが、現状は胃ろう頼り。
・リハビリを継続できるホームに入り、経口で食事ができるようにさせたい。
エピソード詳細
80代後半のお父様は、脳梗塞で倒れた後に、胃ろうを造設。リハビリ病院で、嚥下訓練を行っていました。退院を控えて、娘様から「父が胃ろうを外して口から食べられるよう、リハビリのできる老人ホームを探している」とあいらいふ入居相談室にご連絡がありました。
予算に余裕があったため、リハビリが充実した高級ホームを2軒選定。もう1軒は入居費用を下げて、その差額で外部のリハビリサービスを多用する方法をご提案しました。娘様は、この案を承諾。嚥下訓練で胃ろうから経口摂取になったご入居者様のいるホームを選ばれ、お父様もリハビリに励んでいました。
ところが入居後、ホーム長から「今の状態で外部サービスを追加するのは、お父様の負担が大きい」との連絡が。娘様と合流し、ホームでリハビリ内容の見直しをする日々が続いたのです。
ある日、私宛に娘様からお礼の手紙が届きました。そこには、お父様の旅立たれた旨と、リハビリが志半ばで終わったことへの後悔の念も綴られていました。ホーム側はご家族の想いを受け止めながらも、過度なリハビリは危険を伴うため本人重視です。そうした点で双方の考え方のギャップを埋めることがいかに難しいか痛感しました。
選定ホーム
ホーム(1)
ケアスタッフの人員体制が手厚く、24時間看護スタッフ常勤。リハビリからターミナルケアまで細やかな対応。
ホーム(2)
身体の状況に応じたフロア分けをしており、1.5対1の手厚い介護体制。24時間看護スタッフ常勤。
ホーム(3) ※入居ホーム
24時間看護スタッフ常勤。理学療法士、言語聴覚士、作業療法士による個別リハビリも対応。交渉次第で外部サービスも利用できる。
入居したホーム
24時間看護スタッフ常勤で、機能訓練士によるリハビリが充実している。
今回のポイント
・介護は全員がチーム。理想と現実を共有しつつ、常に最善のケアを探る。
・リハビリなど、外部のサービスを追加する前提でホームを選ぶ場合も。
・相談員は入居後もホームに連絡し、個別にアフターフォローを行う。
・本人の身体状況や意思を酌んで、リハビリを行うことは効果の点でも大事。
・ホームに対する不満や要望は、相談員が間に入って対応することも可能。