老人ホームでは人間らしい生活ができない?
相談者の概況
息子様と2人暮らしの70代の女性。検査入院で末期の膵臓ガンが見つかりました。頓服薬で痛みを抑えつつ、ご自宅で過ごすことにしましたが、せん妄症状のためご自分で服薬をコントロールすることができません。
【困っていること】
・体調不良が続いたお母様が検査入院をすると、末期の膵臓ガンが見つかった。
・入院中にせん妄症状が出て、痛みを抑える頓服薬の管理ができなくなった。
・息子様は仕事で日中不在のため、自宅で介護できない。
エピソード詳細
息子様と二人暮らしの70代の女性。体調不良が続いたため検査入院をすると、末期の膵臓ガンが見つかりました。進行は遅く、ときどき痛みがあるものの、頓服薬で抑えることができたので、訪問看護を入れて、自宅で過ごすことを選択した息子様。しかし、入院中にせん妄を発症し、痛み止めの頓服薬を一度に全部飲んでしまうなど、すぐに自宅介護の限界が訪れました。
息子様は、適切な疼痛コントロールが可能な老人ホームをご希望でした。予算や立地など、もろもろの条件を整えて3軒の老人ホームを見学。しかし、どこもお気に召さない様子。あらためて息子様とお話をすると、老人ホームに対して悪い印象をお持ちでした。狭い部屋に複数人が押し込められ、起きて食事して寝るだけ。楽しみも何もない不自由な生活をイメージされていました。見学した老人ホームは、医療的に重い方が多く、少し静かな印象でしたので、もしかしたらそう感じられたのかもしれません。
老人ホームの現状を説明し、あらためて選定したホスピスフロアのある住宅型有料老人ホームを見学。末期ガンとはいえまだまだ動けるお母様が、近くのデイサービスに通うことも可能です。お母様と同年齢の方が多かったことも決め手となり、ご入居を決断されました。
選定ホーム
ホーム(1)
介護付有料老人ホーム。24時間看護スタッフ常勤で、医療的に重い方の受け入れ実績が豊富。2:1の手厚い介護。
ホーム(2)
介護付有料老人ホーム。24時間看護スタッフ常勤。協力医療機関との連携もよく、医療的に重い方でも受け入れ可能。レクリエーションにも力を入れている。
ホーム(3)
介護付有料老人ホーム。24時間看護スタッフ常勤。ベテランスタッフが多く、医療的ケアの練度が高い。医療的に重い入居者が多い。
ホーム(4)※入居ホーム
末期ガンや難病の方を受入れ対象とするホスピス型の住宅型有料老人ホーム。24時間看護スタッフ常勤。往診医と連携し、医療的ケアに対応。住宅型ならではのオーダーメイドのケアプランが立てられる。
入居したホーム
末期ガンや難病の方を受入れ対象とするホスピス型の住宅型有料老人ホーム。
今回のポイント
・医療的に重い方が多い老人ホームは、比較的静かな印象がある。
・要介護度が軽く、入居人数の多い老人ホームは、賑やかな印象がある。
・ホスピスフロアのある老人ホームでは、ガンや難病の方の受入れが可能。