たん吸引の回数が多すぎる!
相談者の概況
ご対象者様は70代の女性。長期の入院で嚥下機能が低下。退院が決まり、ご家族は老人ホームへの入居を希望。ただ、たん吸引の回数が多いため、医療行為が可能な施設でも対応が難しそうです。
【困っていること】
・70代の母は入院中に嚥下(えんげ)機能が低下し、たん吸引が必要に。
・退院が決まったので、医療行為が可能な老人ホームを検討。
エピソード詳細
ご対象者様は独り暮らしの70代女性で、硬膜下血腫で入院。退院予定日が目前に迫り、息子様と娘様から老人ホームを探してほしいとご相談がありました。
お母様は長い入院生活で嚥下機能が低下し、たん吸引が日に2~3回程度ありました。お二人は、お母様の身体機能がさらに衰えることを心配し、できるだけ早く老人ホームに移したいと考えていました。
お母様のお体の状態から、夜間でもたん吸引の医療行為ができる24時間看護スタッフ常勤の介護付有料老人ホームを提案し、見学へ。しかし、そこで新たな事実がわかり再選定をすることになりました。実は、お母様は日に10回以上のたん吸引が必要な状態だったのです。
本当のことを言えばホームに入居できないのではないか、と懸念した息子様と娘様が、お母様の状態を過少申告していたのです。たん吸引の回数は重要な医療情報です。案の定、回数が多いために体制的に受入れが難しいと断られてしまいました。
あらためてお母様の身体状態を確認し、ホームを再提案。介護と医療のケアが万全なことはもちろん、温かみのある雰囲気の24時間看護スタッフ常勤のホームにご入居されました。
過少申告は誰も幸せにしません。施設側はご本人に合わせたケア体制を整えてから受入れるので、過少申告は事故のリスクが高まります。入れるホームあるかな?と思い悩んでも、過少申告せずにそのままの状態をお話しください。
選定ホーム
ホーム(1)
巡回型の看護スタッフが24時間常勤だが、医療行為によっては受入れが難しいことも。息子、娘の家から近い介護付有料老人ホーム。
ホーム(2)
ケアスタッフがたん吸引の研修を受けているので、看護スタッフが常勤でなくても対応可能。小規模なサービス付き高齢者向け住宅。
ホーム(3)※入居ホーム
24時間看護スタッフ常勤の介護付。医療依存度の高い入居者の受入れも可能。スタッフの人員体制が手厚く、温かみのある雰囲気。
ホーム(4)
24時間看護スタッフ常勤の介護付。医療機関との連携も整っている。理学療法士による個別リハビリも対応。満室であるため空きが出た時点で入居可能。
入居したホーム
24時間看護スタッフ常勤で医療ケアが万全。介護スタッフのサポート体制も手厚い。
今回のポイント
・身体状態の過少申告はNG。正確に伝えることが肝要。
・24時間看護スタッフ常勤でも医療行為の対応が困難な場合もある。
・身体状態の重い方でも、入居できる施設はある。