カラオケのできる老人ホームをご紹介
相談者の概況
アルツハイマー型認知症の90代男性は、親戚や近所の人にお金を配る問題行動が頻発。また、家族がお金を盗んだと言い張る物盗られ妄想にも困っていました。ご家族から相談を受けた地域包括支援センターの保健師様やケアマネジャー様が尽力してご対象者様を説得し、認知症ケアに強い老人ホームへの入居が決定。趣味のカラオケがいつでも歌えるレクリエーションの充実度も決め手になりました。
【困っていること】
・90代の男性は、アルツハイマー型認知症を患っている。
・物盗られ妄想やお金を誰彼かまわず渡してしまうなどの問題行動がある。
・自宅での介護に限界を感じたご家族が、認知症ケアに強い老人ホームを探している。
エピソード詳細
ご対象者様は息子様夫婦と同居する90代の男性です。数年前からアルツハイマー型認知症を患っていて、親戚や近所の人にお金を配ってしまう問題行動がありました。最近では家族がお金を盗んだと訴える物盗られ妄想も。また、一人で出かけて帰り道がわからなくなり警察に保護されたことも一度ではなく、ご家族は対応に疲れ果てたご様子です。相談を受けた地域包括支援センターの保健師様からご連絡があり、老人ホームへの入居を検討することになりました。
老人ホームに求めるのは、認知症の受け入れ経験が豊富で、できれば精神科専門医の往診が希望です。無断外出の防止や、ご対象者様が会いたくない訪問者との面会を管理するセキュリティ対策も重要なポイントです。ご対象者様は心身の変化を見られたくない思いがあり、旧友との再会を拒む傾向にありました。また、ご対象者様の趣味であるカラオケ設備があることも譲れません。
予算は十分にあるとのことで、最初は高級志向の老人ホームをご希望されていましたが、パンフレットを持参して説明をすると、イメージと違うとのこと。もっとアットホームで家族のように迎えてくれる老人ホームを希望されたため、再選定をすることになりました。
最終的には、精神科専門医の往診があり、施錠管理の行き届いたセキュリティ意識の高い老人ホームに決定しました。ご家族の希望もあり、訪問者や電話だけでなく手紙の管理も行っていただき、ご対象者様の精神的安定に努めていただけることになりました。ここは、レクリエーションが充実していて、特にカラオケサークルの活動が盛んです。時間制限なく好きなときに好きなだけ歌えるシステムも、ご対象者様にぴったりでした。
息子様が老人ホームへの入居を勧めた際、ご対象者様は「親を見捨てるのか!」と憤慨し入居を拒んでいました。
しかしながら、長年にわたり担当してきた地域包括支援センターの保健師様とケアマネジャー様が数回にわたり自宅に足を運び、「新しいカラオケ仲間ができますよ」「ご家族には好きなときに会えますよ」と前向きな促しを行った結果、ご対象者様は心を動かされたようです。
介護の話題は家族同士だと言いにくいことが多く衝突が生まれやすいですが、第三者を介すると話がまとまるケースもあります。
入居後のご対象者様は外出するそぶりもなく、毎日好きなだけカラオケを楽しんでいると聞いています。ご家族の介護ストレスも大幅に軽減され、両者にとってベストな選択ができたと思っています。
選定ホーム
ホーム(1)
静かな住宅街にある介護付有料老人ホーム。水分摂取・運動・食事介助・排泄介助に注力し、本来持っている力を引き出す自立支援を行っている。認知症ケアにも定評がある。
ホーム(2)
介護付有料老人ホーム。体の動きや脳を活性化させるレクリエーションやイベントを実施。生活リハビリにも積極的で、自立した生活ができるようにサポート。
ホーム(3) ※入居ホーム
駅近で好立地な介護付有料老人ホーム。レクリエーションやイベントが活発で好きなときにカラオケができる。専門医による往診科目が多く、耳鼻科、整形外科、眼科、精神科などの往診がある。
今回のポイント
・認知症が重い方には、精神科専門医による受診や往診があるとより安心できる。
・老人ホーム入居の説得は、第三者を介すると話がスムーズにまとまることがある。