確執があるのであまり関わりたくない

 相談者の概況

都心に独りで暮らす70代男性が熱中症で救急搬送。認知症が進行していたため、熱中症が回復しても自宅復帰は難しい状況です。しかし、唯一の身内である故郷の弟様は男性を引き取ることを拒否され、老人ホームを探すことになりました。弟様は男性との確執から関わりたくないとの思いがありましたが、老人ホームの施設長様に説得され、生まれ故郷の老人ホームに入居することを決めました。

【困っていること】

・独居の男性が熱中症で入院。認知症が進行していたため自宅復帰が難しい。
・老人ホームを探すが、予算が限られている。
・キーパーソンの弟とは疎遠で、男性には極力関わりたくない様子。

 エピソード詳細

都内に独り暮らしの70代男性が熱中症になり、自宅で倒れているところを訪問介護のヘルパーに発見されて病院に救急搬送されました。熱中症は回復しましたが、認知症が進行していたため退院しても今までのような独り暮らしは難しいというのが病院の医療ソーシャルワーカー様の判断です。男性の身内は遠く離れた故郷に住む弟様だけで、連絡は取れますが関係は良好ではなく、男性を引き取ることは考えられない状況でした。独り暮らしは困難、身内による介護も難しいとなると、退院後の選択肢は老人ホームに絞られ、男性に相談を受けた医療ソーシャルワーカー様からご連絡をいただきました。

男性に老人ホームの要望をお聞きしたところ、住み慣れた都心エリアと安価な利用料にこだわっておられました。一方、故郷に住む弟様は、男性と20年以上疎遠だったこともあり、積極的に関わりたくないという思いがありました。「何かあっても私に問い合わせをすることなく老人ホーム内で解決してもらいたい」と、認知症ケアに加えて医療的ケアの手厚い老人ホームを希望されました。

男性が希望した「都心エリアで安価な利用料」の老人ホームを探すことが難しかったため「安価な利用料」で絞り込み、都心から少し離れた郊外の住宅型有料老人ホームを選定。それとは別に、男性の故郷、すなわち弟様が住んでいる地域で、月額利用料を抑えられる安価な住宅型有料老人ホームもご提案しました。

男性は認知症を患っているため、弟様が老人ホームを選ぶことになりますが、弟様には仕事があるので何度も上京していただくわけにはいきません。幸いにも、故郷の老人ホームの施設長様が病院まで来てくれることになったので、まず弟様には郊外の老人ホームを見学していただき、その足で男性が入院している病院に行き、故郷の老人ホームの施設長様と面談することにしました。

20年ぶりに顔をあわせる兄弟に漂う重苦しい雰囲気。そんな中、故郷の老人ホームの施設長様がお二人に語りかけます。
「老人ホームは文字通り『家』なのです。弟様がためらわれるのはわかりますが、お兄様にとって故郷はマイホームタウン、『家』なのです。認知症ケアはもちろん医療的なケア体制も整っています。故郷に帰って懐かしい風景とともにお暮しになるのが、(認知症の)お兄様にとって最良の環境なのかもしれません」と。

長男の務めも果たさず故郷を出た男性にかわり家を継がなくてはならなかった弟様でしたが、長年の想いを飲み込んで男性のために故郷の老人ホームへの入居を決めました。

現在、男性は自然豊かな故郷の老人ホームで穏やかな日々を送っているそうです。今回の出来事を機に弟様の心境にも変化があったようで、たびたび面会に訪れていると聞きました。弟様からは、「施設長の言葉に心を動かされました。この老人ホームを提案されたときには正直戸惑いましたが、今となってはよかったと思っています」と感謝の言葉が綴られたお手紙をいただきました。

 選定ホーム

ホーム(1) ※入居ホーム
訪問介護事業所を併設し、24時間介護スタッフが常勤。重度の認知症でも受け入れ可能。ご対象者様の故郷にある、豊かな自然の中で穏やかに暮らせる住宅型有料老人ホーム

ホーム(2)
ご対象者様の自宅エリアに近い郊外の住宅型有料老人ホーム。24時間介護スタッフが常勤。併設のデイサービスを利用できる。

 入居したホーム

重度の認知症でも入居可能で利用料が安い、ご対象者様の故郷にある住宅型有料老人ホーム

 今回のポイント

・首都圏だけでなく、それ以外の地域の有料老人ホームも紹介が可能。
・同程度の老人ホームの場合、一般的に都心に比べて郊外のほうが月額利用料が抑えられる。
・高齢者は熱中症になりやすく、ピークは7~8月。

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