入居したくても保証人がいない
相談者の概況
お母様は、80代で独居。主介護者の息子様は言葉によるDVがあり、音信不通に。認知症のお母様は、高齢者緊急一時保護施設に入所。その退去日が迫り、ホーム入居を希望するも身元保証人がいません。相談員は、成年後見制度で入居できるホームを提案しました。
【困っていること】
・母の認知症が進行。主介護者の息子は母にDVを行った末、ついに介護放棄。
・行政の指導後、母は高齢者緊急一時保護施設に入ったが、退去日が近い。
・息子とは音信不通。身元保証人不在のため、母はホームに入居できない。
エピソード詳細
80代で認知症のお母様のケースです。近くに住む息子様が時折訪れて、介護をしていました。しかし、お母様の病気が進むに伴い、息子様の怒鳴り声は頻繁になり、家もゴミ屋敷化。見かねたご近所から自治体に通報が入り、役所の職員を通して、あいらいふ相談室にご相談がありました。
まず、職員、息子様、お母様との4者面談を行い、1人ひとりのお気持ちを確認しました。その上で、老人ホームを選定。見学後、入居の手続きを進めていた途中で息子様と音信不通になり、入居審査はNG。お母様は、高齢者緊急一時保護施設に入所されました。その退去日が迫った数か月後、再度役所から、ご連絡が…。
この時点でも息子様と連絡が取れず、介護放棄と見なされました。身元保証人なしではホームの入居契約も結べないため、役所と話し合い、成年後見制度の利用を決定。息子様の行動を考えると、距離を置く必要があります。また予算もできるだけ抑えなくてはなりません。
その点も考慮し、再選定。お母様が安心してお過ごしできるよう、自然豊かな環境にあるホームをご提案し、無事にご入居されました。後日、ホームに連絡したところ、「笑顔で暮らしている」とうかがい、私も安心しました。
選定ホーム
ホーム(1)
多床室だが、下町の人情が感じられるホーム。自宅と実姉宅に近くて入居金0円、月額利用料も手頃。
ホーム(2) ※入居ホーム
個室で、ケアは一般的。レクリエーションが充実している。自宅から遠い。入居金0円で、月額利用料も予算内。
入居したホーム
成年後見制度で入居できる。自宅から遠いものの、月額の利用料は低価格。
今回のポイント
・保証人がいない場合、相談員が自治体と連携を取って対応する場合もある。
・相談室では「成年後見制度」など、保証人に関するノウハウも心得ている。
・怒鳴るだけならまだしも、「音信不通」では保証人になれない。