思っていた以上に認知症が進んでいた母
相談者の概況
転倒骨折で入院した70代のお母様。入院中にADL(日常生活動作)低下や認知症状が思った以上に進んでしまいました。しかし、ご家族様の面会は毎回短時間で、その時にはしっかりしていたことから、実情を把握できていなかった様子。結果、老人ホームの本人面接で入居拒否となり、困っています。
【困っていること】
・お母様が転倒骨折で入院。退院後は老人ホーム入居を考えたい。
・入院中に低下していたADL、認知症状の変化を家族が把握していない。
・事前申告と差異があり、受け入れ先の本人面談で断られてしまった。
エピソード詳細
自宅での転倒骨折で入院した70代のお母様は、自力歩行が難しくなってしまいました。独り暮らしに戻すのは無理、と考えたご家族。退院後は老人ホームに入居させたいとお考えでした。
認知症状は軽い物忘れくらい。そこで、息子様のご自宅に近い老人ホームにご連絡。しかし、本人面談で老人ホーム側から入居拒否されてしまう結果に。その理由は「申告よりADL(日常生活動作)が低下しており、認知症状もかなり進んでいたから」とのことでした。
なぜ、そのようなことが起こったのか?
ケアマネジャー様からご相談を受け、ご家族からよくよく話を伺ってみた相談員。お忙しいご家族の面会は少なく、滞在時間も短い。その時は元気そうでしっかりしているように見えるものの、ADLの低下や認知症状が思った以上に進んでいたことを、把握できていなかったためです。
そこで、看護師・医療ソーシャルワーカー様よりご家族へ、改めてお母様の状態変化を正確にお伝えいただくよう要請。その内容をもとに、幅広いあいらいふのネットワークから受け入れ可能な施設を選定。ご希望エリアの認知症ケアに力を入れている老人ホームで、再度、本人面談へ。今度は無事に入居が決まり、ご家族は胸をなでおろされていました。
選定ホーム
ホーム(1)
グループ独自の様々なコンテンツやプログラムで、入居者の健康増進に努める介護付有料老人ホーム。近隣には公園もあり自然豊か。
ホーム(2)※入居ホーム
閑静な住宅街にあり、落ち着いた雰囲気の介護付有料老人ホーム。認知症の専門家と連携し、一人ひとりの生活習慣や状態に合わせたケアを心掛けている。
入居したホーム
多方面からの認知症アプローチとオーダーメイドケアを心掛けている老人ホーム。
今回のポイント
・ADL(日常生活動作)とは、起床・食事・着替え・排泄・入浴や歩行などの日常生活に必要な基本的行動のことで、高齢化や障害の程度をはかる指標。
・入院により、ADLの低下や認知症の進行がみられることがある。
・現状を正しく伝えないと、受け入れ状況により入居を断られることも。
・状態を正確・客観的に把握するため、看護師・医療ソーシャルワーカー・ケアマネジャー等への確認が必要。