通院同行サービスも必要

 相談者の概況

ご対象者様は大腸ガンで入院している80代の女性です。入院中にADLが低下して車イスが必要になり、独居の自宅に戻れず老人ホームへの入居を検討。希望条件は介護費用や通院同行サービスの費用を含めて月々30万円。介護知識のない姪御様と丁寧に向き合い、納得できる老人ホームに出会えましたがコロナ禍で入居ストップに。再検討の結果、通院の時間は長くなるものの月額利用料が安価な郊外の老人ホームに入居することができました。

【困っていること】

・80代の女性が入院中にADLが低下して歩行困難になり、独居生活に戻れない。
・新型コロナウイルス感染症の混乱で、入居予定の老人ホームからストップがかかった。
・介護保険の自己負担割合が2割のため月額利用料を抑えたい。

 エピソード詳細

ご対象者様は大腸ガンで入院中の80代女性、キーパーソンは姪御様で介護経験はありません。ご対象者様は入院中にADL(日常生活動作)の低下から移動には車イスが必要になり、独居生活には戻れそうもないため老人ホームへの入居を希望します。

退院したら通院が必要になるため、通院に適した立地、老人ホームのスタッフによる通院同行が可能であることは必須です。また、希望予算は月々30万円以内ですが、介護保険の自己負担割合は2割で、通院同行サービスも自費になる可能性があるため、費用面に不安を抱えていました。

選定した複数の老人ホームを姪御様と見学しましたが、老人ホームの雰囲気やケアサービスは「どこもそれなりにいい感じ」という感想で、何を決め手に判断すればいいのかわからない様子です。介護経験がなく、ご対象者様と関りが薄いためご対象者様の状況を把握しきれていないので決めかねるのは無理もありません。

そうは言っても退院の日は迫り待ったなしの状況。そこで、介護サービス、料金、レクリエーションの頻度、通院同行サービスの詳細など老人ホームごとの違いを明確に説明し、ご対象者様の身体状況に即した老人ホームに絞り込んでいきました。

ここで気をつけなければいけないのは、姪御様の判断をこちらの都合に誘導しないことです。そのサービスがなぜ必要なのか、具体的にはどのような内容なのか、ほかの老人ホームとの違いは何か……。丁寧に説明し、姪御様に一つひとつご納得いただきながら、ご対象者様にベストな老人ホームを選択できるように努めました。

結果、通院予定の病院に最も近く、予算内の老人ホームを気に入っていただけました。しかし、老人ホームの面談に必要な健康診断書を作り始めたところで事態は急転。入居予定の老人ホームが、新型コロナウイルスの影響で入居がストップになってしまいました。

気持ちを切り替えて再度選定。2番目に気に入っていた老人ホームと場所の違う同系列の老人ホームから空きが出たと朗報が。通院予定の病院からかなり遠くなりますが、郊外にあるため月額利用料を抑えられます。つまり、ケア内容は同じですが利用料が安くなるため、それが決め手となり、無事契約にいたりました。

入居後、社交的なご対象者様は車イスでレクリエーションに参加し、新しい環境になじんでいるそうです。月2回、車で15分かかる通院にも慣れてきて、前向きに治療を続けているとのことでした。

 選定ホーム

ホーム(1)
郊外の住宅街にある介護付有料老人ホーム。通院予定の病院に近く、候補の中で費用は最も安価、レクリエーションやイベントが充実。しかしコロナ禍で入居ストップに。

ホーム(2)
大手企業が運営する介護付有料老人ホーム。ケアやレクリエーションなどサービスの総合力が高い。通院予定の病院に近いが、費用は予算より若干高め。

ホーム(3)
通院予定の病院に近い介護付有料老人ホーム。小規模でアットホームな雰囲気がある。看護スタッフによる健康チェックや病院との医療連携が充実。個室や2人部屋のほかに4人部屋もあり安価な価格設定が可能。

ホーム(4) ※入居ホーム
(2)の系列の介護付有料老人ホーム。通院予定の病院からはやや遠いが、上記3つの老人ホームよりさらに郊外にあるため、(2)とケア内容は同じだが安価。

 今回のポイント

・入居後に通院が必要な場合は、老人ホームに送迎サービスの有無を確認する。
・コロナ禍でも入居できる老人ホームはある。
・老人ホームのサービス内容や規模が一緒の場合、一般的に郊外に行くほど月額利用料は安くなる。