家族の意見をどうまとめていく?
相談者の概況
ご対象者様は80代の男性。ご夫婦でお暮らしですが、自宅で転倒して入院。お父様は自宅復帰を希望されていますが、お母様は自分のことで精一杯。近くに住む次男様と、お父様の老人ホーム入居を検討し始めました。 ところが、やや遠方にお住まいの長男様とは介護に対する見方に温度差がありました。
【困っていること】
・父は退院を控え、自宅復帰を望んでいるが、老老介護の母は難色を示す。
・母と次男が相談して老人ホームを検討中だが、本当のキーパーソンは?
・退院日が迫っているが、家族内で介護に対して温度差がある。
エピソード詳細
ご夫婦でお暮らしの80代のお父様は、パーキンソン症候群を患っています。ある日、ご自宅で転倒し、頭部打撲で入院。「退院が決まったので、ご家族の相談に応じてほしい」と病院のソーシャルワーカー様から、あいらいふ入居相談室にご連絡がありました。
お母様にお電話を差し上げると、お父様の介護で疲れ切っているご様子。家でお父様の面倒をみる体力も自信もないと、つらい胸の内を語り始めると止まりません。私はただただ15分間、お話しを聴くことに徹しました。
幸い次男様が近くにお住まいということもあり、お母様と次男様の中間距離にある老人ホームを選定。1軒目は、次男様のご自宅近く。医療と介護の連携が万全で、内装にも定評があります。お母様と次男様がこちらを見学。非常に気に入られ、やや遠方にお住まいの長男様にもお話しになられました。しかし、長男様はお父様の入居がそこまで差し迫った状態であることを知らず、家族間で介護に温度差が…。
そこで家族全員での再見学を提案。まずは気に入られた1軒目、次にサービス付き高齢者向け住宅、3軒目はリハビリに特化したホームです。見学後は、ご家族で話し合われて、全員一致で最初のホームを選ばれました。
選定ホーム
ホーム(1) ※入居ホーム
重厚感のあるインテリアが好評。機能訓練が充実。医療と介護の連携も万全で、きめ細やかなケア。自宅と次男宅との間にある。
ホーム(2)
比較的広い居室で、自宅同様の生活が送れるサービス付き高齢者向け住宅。自然に恵まれた環境。次男の家に近い。
ホーム(3)
居室フロアは介護度別になっており、手厚い人員体制。個別リハビリも充実。作業療法士によるレクリエーションが評判。
入居したホーム
医療と介護の連携が万全で、きめ細やかなケア。設備も新しくてきれい。
今回のポイント
・キーパーソンが、最初から参加しないと、もめる原因になりやすい。
・お困りごとは、専門の相談員に打ち明けた方が適切な解決を図れる。
・入居に関して家族間で温度差がある場合は、第三者を介入した方がよい。
・愚痴に思える話の中に、介護への潜在的な希望が含まれている場合も。