「統合失調症」と告げると「大丈夫なの?」と返される

 相談者の概況

統合失調症で、長く精神病院に入院している身寄りのない男性。今日も病院の前で、いまだ来ぬ婚約者を待ち続けています。退院を促され、行き先を探しますが、統合失調症への漠然とした不安は受け入れを難しくします。そのような中、統合失調症のグループホーム運営の経歴を持つ施設長が「安心してください」と迎え入れてくれました。

【困っていること】

・統合失調症で長い間入院。強い思い込み症状がある。
・退院するにあたり、戻る場所も身寄りもない。
・迎えに来てくれる婚約者を玄関で待っていたい、という希望がある。

 エピソード詳細

ずいぶんと昔に奥様と別れ、20年あまり統合失調症で精神病院に入院している80代男性。毎日、病院の前で「婚約者が迎えに来てくれるんだ」と待ち続けています。
服薬コントロールがうまくいっていることもあり、長かった入院生活を終え、退院することになりましたが、男性に戻る家はありません。

病院の医療ソーシャルワーカー様から連絡を受けた相談員は、病院へ赴き、男性の心身の様子を伺いました。歩行はしっかりしていること。迎えへの思い込みが強く、入り口で待ちたいこと。少し横にずれてほしい、ご飯だから来てほしい、などの呼びかけには応じてくれること。そして暗くなると「今日も来なかった」と部屋に戻ること。

相談員は、玄関の施錠や見守りがしっかりしており、集団生活の中にそっとうまく組み入れてくれるような老人ホーム、何より統合失調症に理解のある老人ホームを選定しました。
統合失調症への認識が希薄な場合、そうであることを伝えると「大丈夫ですか?」と漠然とした不安を返されることが多いもの。統合失調症への理解があるホームは「何か幻覚はありますか?」という留意ポイントや、症状に対し「それでは○○しましょうか?」という解決策を提示してくれます。
連絡を取った先は、統合失調症のグループホーム運営に携わった経験のある施設長がいる老人ホーム。「入り口に立ったままでは大変でしょうから、イスでも用意しましょうか」「気持ちの赴くまま待ってもらいましょう」と、男性に寄り添った返答をしてくれました。

 選定ホーム

ホーム(1)※入居ホーム
地域に根付いた少人数でアットホームな雰囲気の、住宅型有料老人ホーム。24時間スタッフ常勤で、日常生活の支援や相談を行っている。

ホーム(2)
地域の中で、障害のある方の自立に向けた生活能力向上を目的としたグループホーム。

 入居したホーム

統合失調症への理解がある老人ホーム

 今回のポイント

・問い合わせ時に病名を告げた際、具体的な確認事項を返してくれる施設は、その疾病に対して理解があると言える。