90代で骨折、リハビリは必要?
相談者の概況
ご対象者様は90代の女性で、娘様と同居。大腿骨頸部骨折で入院し、退院後は自宅に戻ることを希望。しかし、病院のメディカルソーシャルワーカーから「自宅生活は厳しい」と言われ、老人ホームの検討を始めました。
【困っていること】
・90代で大腿骨頸部骨折し入院中。回復するも歩行困難に。
・自宅に戻りたいが、これ以上のリハビリはしたくない。
エピソード詳細
娘様と同居していた90代のご対象者様は、自宅で転倒して大腿骨頸部を骨折。娘様の希望は、退院後に自宅に戻ることでしたが、病院のメディカルソーシャルワーカーから「自宅では再び転倒する可能性が高いです。つきっきりで面倒がみられますか」と“待った”がかかりました。退院の期日が迫る中、娘様からあいらいふ入居相談室へ連絡をいただきました。
相談員は、リハビリを提供できる老人ホームを3つ提案しました。
1つ目は、毎日欠かさず散歩リハビリを実施。2つ目は、理学療法士、作業療法士が常勤で個別リハビリに定評がある。3つ目は、理学療法士が巡回し、機器を使用したパワーリハビリを実施。
病室で、ご対象者様から直接お話をうかがっていると「つらいリハビリはしたくない」という「言葉にならない声」を察知しました。たしかに90代という年齢に、きついリハビリは酷です。
そこでおすすめしたのは、リハビリ機器はないものの付近に大きな川が流れるホームでした。ここでは毎日、河川敷に整備された緑化公園の遊歩道を散歩する「散歩リハビリ」に取り組んでいます。
今回は、ゴールを「自宅に戻ること」に設定し、一時的な滞在としました。これならば、ご対象者様だけでなく娘様の希望も叶えることができます。散歩も立派なリハビリです。四季折々の美しい自然を眺めながらの散歩で、ご対象者様は日常生活動作をみるみる回復し、ご自宅に戻ることができました。
選定ホーム
ホーム(1) ※入居ホーム
豊かな自然に囲まれ、隣接する公園の遊歩道を毎日散歩する「散歩リハビリ」を実施。
ホーム(2)
理学療法士、作業療法士、看護師が常勤。個別リハビリに力を入れている。
ホーム(3)
理学療法士が巡回しパワーリハビリを実施。機器が充実していて、リハビリに積極的に取り組みたい方が入居している。
入居したホーム
自然が豊かで四季折々の景色が楽しめる。毎日の散歩を励行している。
今回のポイント
・本人が望まない無理なリハビリは禁物! 散歩も立派なリハビリになる。