認知症で意向不明の際のバックアップ

 相談者の概況

ご対象者様は70代男性で独居。アルツハイマー型認知症で不潔行為や徘徊を繰り返してしまいます。2人の息子様は、海が好きだった父親に最適な老人ホームを探していましたが、最終的に認知症対応フロアのある施設へご入居されました。

【困っていること】

・独り暮らしをする父親の認知症が進行し、不潔行為や徘徊を繰り返す。
・家族が反対し、認知症の父と同居は困難。
・海が好きだった父に、海の近くの老人ホームに入居してもらいたい。

 エピソード詳細

独り暮らしをしていたご対象者様は、アルツハイマー型認知症を患って徘徊を繰り返し、排せつや入浴にも介助が必要でした。近隣に住む2人の息子様夫婦が交代で介護をしていましたが、息子様はケアマネジャーから「奥様の介護疲れで、これ以上の独り暮らしは避けたほうがいい」と言われました。しかし、息子様の奥様からは同居を反対されたため、老人ホームを検討。あいらいふ入居相談室に連絡が入りました。

息子様からのご要望は、「海の見えるホームがいい」というもの。海を愛していたご対象者様は、脱サラして海のリゾート地でレストランを経営していたのでした。

息子様は、海の見える環境にいれば問題行動がやわらぐのでは、と期待をしており譲れない条件でした。そこで相談員はひと工夫をし、海に近いホームを選定。居室から水平線を眺めることができるホームにご入居されました。

ほどなくしてご入居されたホームから「海を眺めることもないし、状況はまったく変わらない」との連絡が入ります。そこで、あらかじめバックアップとして用意していた、認知症対応フロアを持つ同じ運営会社のホームに転居していただきました。

息子様の想いは理解できますし、海を見ても状態が落ち着かないことは想像できます。相談員はそれを見越して、バックアップを用意していました。

今回は、息子様の想いを優先しましたが、結果的にはご対象者様にとって負担をかけることになってしまいました。

 選定ホーム

ホーム(1)
認知症対応フロアなし。海が間近で居室から水平線を眺めることができる環境。息子様の居住地から遠方。

ホーム(2)
認知症対応フロアなし。海は見えないが海岸まで約500mの距離。長男様の居住地の近く。

ホーム(3)
認知症対応フロアなし。海は見えないが海岸まで約700mの距離。二男様の居住地の近く。

ホーム(4) ※入居ホーム
認知症対応フロアがあり、クリニック併設。内陸部にあり海は見えない。

 入居したホーム

認知症対応フロアがあり、クリニック併設。家族の要望とは異なるホーム。

 今回のポイント

・家族の想いと本人の安全は異なる。優先すべきは「ご入居者様本人の幸せ」。

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