80代の女性。誤嚥性肺炎で胃ろうを造設
相談者の概況
息子様と2人くらしのお母さまは、誤嚥性肺炎で入院後、症状が悪化し胃ろうを造設しました。そのため自宅介護が困難になり、退院までに何としても介護可能な転居先を決めなければなりません。ですが、お母様の身体状況から24時間看護スタッフ常勤の老人ホームが必要となりました。息子様の希望は、「ご自宅の近く」「低価格」でした。
【困っていること】
・母が誤嚥(ごえん)性肺炎で入院し、胃ろうを造設。自宅介護は難しい。
・選定条件は「医療行為が可能で近所、低価格」だが、該当ホームなし。
・主介護者の息子は多忙で、母がホームに入居しても頻繁に面会できない。
エピソード詳細
80代後半のお母様は会社員の息子様と2人暮らし。誤嚥(ごえん)性肺炎を患ったお母様は、入院中に胃ろうを造設したため、自宅での生活が困難に。息子様が希望するのは、「家の近く・低価格・医療行為が可能」な老人ホーム。しかし、「条件に合うホームが見つからない」とあいらいふ入居相談室に、医療ソーシャルワーカー様から一報が入りました。
相談員は息子様に、お母様の身体状況から「24時間看護スタッフ常勤が必須」とお伝えし、エリアの幅を少し広げて3軒のホームをご提案しました。2軒のホームは、ご自宅の近所。最後は自宅から電車とバスで約2時間かかるものの、費用が安く、建物も魅力的なホームです。見学を終えた息子様は、3軒目を選ばれました。
息子様はお仕事が多忙で、面会に行けるのも月に1回程度。それなら多少遠くても、医療ケアに手厚く、きれいなホームがお母様も喜ばれると判断されたのです。
直後の休日、相談員は駅のホームで手を振る男性に遭遇しました。このときの息子様です。「ホームで元気な母を見てきた帰りだよ」と、ご相談時には見せなかった息子様の笑顔に初めてふれ、お母様の現状もうかがえて、相談員として感慨深いものがありました。
選定ホーム
ホーム(1)
自宅から近く、24時間看護スタッフ常勤。入居費用は予算オーバー。開設から10年以上がたち、建物は経年劣化が若干目立つ。
ホーム(2)
自宅から比較的近い。クリニックを併設し、24時間看護スタッフ常勤。建物はきれい。入居費用は予算内だが、通院に家族の送迎が必要。
ホーム(3) ※入居ホーム
自宅から約2時間。24時間看護スタッフが常勤し、医療と看護を強化したホーム。建物は比較的新しい。入居費用は低予算。
入居したホーム
自宅から離れているが24時間看護スタッフ常勤。開設2年目のホーム。
今回のポイント
・予算が少ないときは、エリアを広げることでホームの選択肢も増える。
・医療依存度が高い場合、通院時の送迎などサポート体制も確認しておく。
・条件が厳しくても、優先すべき点を冷静に判断できれば解決策がみつかる。