「費用が1番安い」で選んだ結果は…
相談者の概況
80代の女性で息子様と同居。費用のみで選んだ老人ホームへ見学に行きましたが「仏壇を持ち込みたい」「自由に面会したい」「たまには散歩に連れて行ってほしい」などの希望が叶えられず、もう一度老人ホームを探すことになりました。
【困っていること】
・転倒骨折を繰り返して車イス生活。もう自宅では暮らせない。
・とにかく1番安いホームでなければダメ。
・1人では不安。寂しがり屋のため多床室に入居してもらいたい。
エピソード詳細
ご対象者様は、80代後半の女性で息子様と同居。自宅で転倒骨折を繰り返し、車イスの生活になっていました。ある日、息子様がベッドから車イスへ移乗させようとした際に、誤って転倒し骨折。退院後は介護老人保健施設へ入所しましたが、ケアマネジャーから「もう自宅での介護はむずかしいのでは」と提案され、老人ホームの検討を始めました。
相談員が息子様と話し合いをすると、「とにかく一番安いところにしてほしい」、「母は寂しがり屋なので相部屋(多床室)にしてほしい」とのことでした。
費用が安いということは、「それに見合ったサービスしか受けられない」ということです。しかし、息子様は「一番安いホームを見学させてほしい」の一点張り。費用重視のスタンスは変わりませんでした。
ところがいざ見学となると、息子様の口からは次々と要望が飛び出します。「仏壇を持ち込みたい」、「自由に面会したい」、「たまには散歩に連れて行ってほしい」など。ご対象者様を想えば当然の希望ばかりです。
しかしホームからは次々と拒否をされ、愕然となります。相談員はすぐに次の候補をご提案し、その日のうちに見学に行きました。
2件目のホームでは上記の要望はすべてクリア。ただし費用は1件目よりややあがります。しかし、「費用は抑えたいけど、母に不自由はさせられない」と考えた息子様は、2件目のホームを選びました。
選定ホーム
ホーム(1)
多床室。入居者が多い大規模ホームで、近隣では最安値。面会は平日の昼間のみ。散歩なし。私物の持ち込みは基本的に不可。
ホーム(2) ※入居ホーム
多床室。費用はややあがるが、自由な面会時間や定期的な散歩がある。私物の持ち込みが可能。
入居したホーム
最安値のホームよりやや高いが、仏壇持込や散歩、面会などの要望が叶う。
今回のポイント
・ホーム選びはニーズから探す。費用にとらわれると失敗することも。